わたしのカミツレをあなたに
□葛藤
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「…ってふざけんな三流ブンヤがあ!」
「アホか貴様!」
2人が言い争っている間に新聞をチェックするのは手塚さん。
「ダメです。壊れました。」
弁償を言いつけられた郁ちゃんが立ち上がるのを止めて声をかける。
「私、コンビニに用事あるので行ってきますね。」
いま郁ちゃんを外に出すわけにはいかない。でもこれも余計なことなのかな?
部屋を出ると、バインダーの予備を取ってくるように言われた郁ちゃんも出てきた。
「ごめんね。これ。」
とお金を渡される。
「全然大丈夫ですよ!もともと用事あったんです!」
郁ちゃんより私の方が確実にダメージは少ない。
玄関で郁ちゃんと別れて外へ向かう。
通用門はやめたほうがいいかな、でも正門から出るとかなり遠回りすることになる。
図書館員じゃないってことにしちゃおうかな?
軽く考えて通用門の戸を開けて…
その瞬間後悔した。
とりあえずコンビニ方面に向かって走るが、所詮はただの女子の走り。
すぐに追いつかれてしまう。
いろいろ言ってくるのを理解しないようにしながら、先へ進もうとする。
「取材は広報にお願いします!通してください!」
「逃げるんですか!?」
「通してくださーい!」
声を張り上げつつも、精神的には限界。
これをのりきった郁ちゃんすごいよ。
もっと考えるべきだったな…
そっとため息をついたその時だった。