BOOK@
□海軍本部編@
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朝日が差し込む室内。
ベットには2人が身体を密着させながら寝ていた。
昨夜も身体を重ね愛し合った2人。
もぞもぞと起き出したアズリアは、黄猿を起こさないようにベッドから離れようとしていた。
「もう起きちゃうのかぁい?」
「おはようボル………」
甘く、まったりとした時間が流れる。
朝なのにも関わらず、濃厚なキスをする2人。
唇が離れると名残惜しそうに見つめる
アズリアに思わず襲い掛かりたくなる。
散らかった服を集め、身支度を整えていると何かを思い出したアズリア。
「そう言えば一昨日の事…………」
「あぁ〜、あれねぇ…………」
「もう一度言って欲しいなぁ……………」
思わずドキッとした。
あの時は流れで言った事だが、いざ面と向かって言うとなるとかなり恥ずかしい。
だが、こんなにも女性に惹かれることなど無かった黄猿はこのまま彼女を手放すわけもなく、何回か深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「アズリア…………」
「なぁに?」
彼女の前に立ち、目線を合わせるために屈む。
真剣な眼差しで見つめる黄猿に思わず顔が赤くなる。
「わっしと一緒に居てくれるかぁい?」
「はい………喜んで…………」
「おぉ〜嬉しいねぇ〜」
本当に嬉しそうに笑いながらアズリアを力一杯抱きしめる。
そうしてまたしても濃厚なキスをする。
話しも終わり、書類整理をしたいからと机に向かうアズリア。
黄猿はソファーに座り、彼女の仕事振りを見学していた。
「船長失礼致します。朝食をお持ちしました」
「あぁ、ありがとうね」
「おぉ〜ベーコンエッグとは美味しいそうだねぇ〜?」
「貴様にはパンだけだ!」
あの日以来黄猿に対して敵対心むき出しのマシュー。
また喧嘩が始まる前にマシューを追い出し、黄猿と仲良く食事をした。
「コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「紅茶がいいねぇ〜」
茶葉が入った缶を棚から取り出すと一つずつ香りを確かめどれにするか選ぶ。
「柑橘系がいい?それともハーブ系がいい?」
「朝だからハーブ系がいいねぇ〜」
お湯を淹れてから少し置いて、ティーカップに注ぐ。
差し出されたカップを受け取ると、ミントの香りが鼻腔をくすぐる。
「さっぱりとして飲みやすいねぇ〜」
「レモングラスとミントをブレンドしたの。朝に飲むとスッキリするからね」
食後の一杯には丁度いいと、アズリアを誉めるとまた一口すする。
デスクに戻ったアズリアはタバコに火を付けふぅと紫煙を吐き出す。
眼鏡をかけ、厳しい顔付きで書類に目を通していく。