BOOK@

□新時代編E
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頂上戦争から一年、白ひげと言う抑止力を失った海は荒れに荒れた。
新たに四皇として持ち上げられた黒ひげは、急速に勢力を拡大していくとともに能力者狩りを行うようになっていった。
しかし、そんな時代にも関わらず時代の残党として今一度その名を海にしらしめていた人物が一人。

「アズリアさん、本当に動くのか?」

「しつこいよ、赤髪の坊や。白ひげのバカが残したとんでもないバカを始末するまでは死ぬに死ねないからね」

船に揺られながら、四皇の一角【赤髪のシャンクス】と酒を組みかわしていた。
頂上戦争以降、何やかんやで会えず一年掛かりようやくこうしてまともに話しができた。

「で、あんたはどうするの?このまま動かないでいるの?」

「俺は自分がしたいことをするだけさ」

「そうか・・・・・」

残っていた酒を飲み干すと、マシューと共に船を降りる。
後にこの接触は世界的に大きく報道される事となり、もちろんアズリアはコングにこっぴどく叱られた。





それから数日後、海軍本部に呼び出されたアズリアは仕方なく顔を出しに行った。

「おー、センゴク。老後の生活を楽しんでるか?」

「貴様そこ、あちこちで派手に名を揚げてるそうじゃないか?」

かつての戦友は今や第一線を退き、海軍本部の大目付役として若き海兵たちを指導していた。

「それじゃね」

「あぁ」

センゴクと別れると、本部に入りサカズキの元ではなく恋人の黄猿の部屋に向かう。
一応ノックして中に入ると部下と話しをしている最中だった。

「ごめん、邪魔しちゃったかな?」

「おぉ〜、構わねーよぉ」

部下をちゃっちゃと追い出すと、ソファーに座り自らの上に向かい合うように彼女を座らせた。

「忙しそうだね……………」

「まぁ、これが仕事だからねぇ」

黄猿の顔に静かに手を持って行き顎のラインをゆっくりとなぞる。
口元までいくと、下唇をのみを何度もなぞり何かを訴えるように見つめた。

それに気が付いた黄猿は、いま彼女がしたような同じ事をする。

「キスしてくれないの?」

「今ここでしちまったらぁ、我慢できなくなるからねぇ〜……………」

何とか身体を引き離そうとしたが、ピッタリと身体をくっつけてチュッと、リップ音をさせながら、頬や顎のラインに軽くキスをする。

「………!!残念、ここまでみたい…………」

そう言って身体を離すと、ノックが聞こえると勢い良くドアが開けられた。

「貴様ぁ!!いつまで待たせる気じゃぁー!!」

「別にいいじゃない、どうせ対した用事でもないんで……………?」

サカズキの後ろに立っていた人物に目がいった。
紫色の着流しを着て、額から両目にかけて大きな傷がある。

「もしかして、新しい大将?」

「気付くのが早いねぇ〜」

「貴様を呼んだのは他でもない、コイツと戦ってくれんかの?」

「はぁ!?」

何を思ってそんな事を言い出したかは分からないが、あっさりと断った。
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