BOOK@

□新時代編F
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とんだ災難を受けてから1日経たずして、今度はガープ、センゴクの両名に呼び出された。

「なんか用?」

「実はな、このコビーに覇気の鍛錬をしてやってくれんか?」

「はぁ?」

「見物色は得意じゃないからな」

「大御所2人が何いってんだか………」

ガープの横にビクつきながら立っている若い海兵。
とりあえず、実力を見るために軽く手合わせをする。

「手加減無しで構わないよ」

「分かりました!!」

張り切っていたのは最初だけで、ものの数分で体力が切れてしまった。

「ガープ……………」

「情けないわい…………」

「力み過ぎなんだよ。一週間、預かるからね」

ズルズルと引きずられて海軍本部から連れ出し、船に無理矢理乗せた。

「マシュー、今日から一週間でコイツを鍛え上げるぞ」

「海兵ですか?また勝手な……………」

「とりあえず、島に行くか」

1日半掛けて、シキナシ島に向かうとコビーに水と最低限の食料を与えて放り出す。

「これから一週間、この島でサバイバルをやってもらう。もちろん、部下たちがお前を襲いに行くからな」

「いきなりですかぁー……………」

「つべこべ言うな!!さっさと逃げろ!!」

よろよろと森に逃げ出す。
30分くらいしてから、隊長たちも続々と島に到着する。

「ようし、全員集まったな?」

「いきなり呼び出して何のようだ?」

「話しは単純だ、狩りをしろ」

「何だそりゃ?」

「1人の海兵が逃げ回ってる。ガープとセンゴクからの頼みでね、殺さないようにしながら鍛えてやれ」

島は直径10q、中央の館の周り、森との境目には部下たちを配備させ逃げ回る範囲を限定していく。

「どんな感じですか?」

「オオワシーー!!様子わーー!?」

上空から監視していた彼が、ベランダでくつろいでいたアズリアの元に降り立った。

「今は東に逃げてる、ラブたちが上手く追いかけて走り回ってるぞ」

「いいね、足腰を強化になる。後は気配を感じればいいが」

「嫌な思い出だ」

「お前は優秀な方だったぞ、一番ダメだったのはグラフとスミノフだ。片っ端から倒して、時間が掛かってなー」

人間は追い詰められれば、秘めたる能力を開花する。
サバイバルと言う究極の状態ならば、感覚が最大限に研ぎ澄まされる。
海兵の単なる訓練より、ずっと効率がよく心身ともに鍛えられると思っている。

「一週間後が楽しみだな」

「死ななきゃ良いですが…………」
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