BOOK@

□頂上戦争A
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恐れていた事態が現実になった。
いくら政府勅命とはいえ、彼女もまた海賊なのだ。

「赤犬!そのままアズリアを抑えろ!」

「わかっちょる!」

「お前らは全員で麦わらを援護だ。マシューお前は白ひげの援護を頼むぞ?」

指示を出し終えると、立ち上がり赤犬を迎えて撃つ。

「覚悟せい、時代の残党はわしが葬っちゃる……………」

「やれるものならやってみな…………」

そうして始まった戦いはエース奪還に拍車をかける。

一方白ひげの援護に回ったマシューは何とか黄猿を白ひげに近づけまいと水際の攻防を繰り広げていた。

「おぉ〜まさか裏切るとはねぇ?」

「船長命令ですから、ねっ!」

力は互角、互いに譲れないモノがあるからこそどちらも引けない。
一旦攻撃の手を止め、頭を掻きながら悩む黄猿。

「どうしてもかぁ〜い?」

黄猿にしてみれば作戦何てあってもなくても構わないと思っている。
素早く、被害無く、簡潔に任務遂行出来ればいいと考えているからだ。

所詮は作戦、武力では勝てないからこそ知力を駆使して上手く立ち回る。
故に作戦が存在する。

「参ったねぇ〜…………」

「どうせならこの間の決着でつけますか?」

「彼女の大事な部下を傷付けるわけにはいかんでしょ〜?」

「なら船長は諦めて下さい!!」

ピクリと眉が動く。
さすがの黄猿もそれを言われたら闘わなくてならない。

彼女を諦めろ?

いくら彼女の部下だからと言って、そこまで言われちゃ男として黙ってはいられない。

「覚悟はいいかぁい?」

「貴方こそ、覚悟して下さい!!」

眼鏡を外し懐にしまうと手袋を出しキチッとはめる。
黄猿を止める筈が、何故かアズリアかけた男と男のプライドを掛けた闘いへと発展してしまった。

心強い味方をえた白ひげであったが赤犬からのダメージが響き身体が思いように動かなくなってきていた。
それを察したマシューはジンベエに後ろ守るよう指示を出し、自分が前にたち白ひげを死守する形をとった。

「おい小童、テメェあの黄猿とエラく仲良さそうじゃねぇーか?」

「正確には!っと、船長がです!」

「アイツがなー…………」












その頃、赤犬を含めた海軍と戦闘をしていたアズリアは赤犬の能力に警戒して間合いを取りながら戦っていた。

「この程度か海軍?」

「なんて強さだ…………」

次々倒される海兵にみかねて前に出る赤犬。
ある程度片付いたところでタバコを取り出し火を付ける。
余裕を見せるアズリア、赤犬も挑発と分かってあえて手を出さず見ていた。

「お手並み拝見といこうじゃないか……………」

タバコを吸い終えるとコートから黒い手袋を取り出しそれを身に着ける。
彼女がなぜ漆黒の処刑人と呼ばれているか、それを身に沁みて実感する事となる。

「古武術八卦・皇龍の構え・・・・」

「大噴火!」

激突する2人、赤犬のマグマをものともせず受け流し一気に間合いを詰め鳩尾に拳を叩き込む。
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