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□頂上戦争A
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一方的過ぎる戦い。三大将の中でも一番の実力派と言われている赤犬が、自分よりはるかに小柄で力も弱そうに見える女一人に手も足も出ない。
これがアズリアの本当の力なのかと皆が恐れた。

「どうした?この程度か?」

「おのれぇー!!」

「お前には分からないだろうさ、アイツが守ろうとしているものが何なのか…………」

「海賊が守るものなど所詮は自分の地位や名声じゃろうが!!」

マグマ化した拳が彼女の顔に直撃するが衝撃に耐え赤犬を睨む。
おもわず後退りしてしまう程、アズリアの睨みは恐ろしく見えた。

「マシューー!!命令だ、全員この場から速やかに逃がせぇーー!!!」

「えっ………まさか………!!」

「船長ダメだ!!!」

真っ先に騒いだのはオオワシだった。
マシューも彼女が何をするのか分かると顔が真っ青になる。
センゴクもまたそれに気がつくと海兵たちに退避命令を出した。

「地獄に落ちな………」

赤犬の胸ぐらを掴み地面に叩きつけると腹の辺りをグッと鷲掴みにし力を籠める。
危険を察知した赤犬は必死に抵抗したがビクともしない。
その力になす術もなかった。

マシューはまだ回復していない身体を引きずりながら白ひげに逃げるよう促すが黄猿が邪魔をする。
隊長たちもエースやルフィ、ジンベエたちにアズリアから逃げるよう半ば無理やり湾頭付近まで引っ張る。

「離せぇーー!!!!!」

カタカタと地面が揺れ始める。
それは次第に大きくなり立っている事もままならない程に強くなる。

『メルトダウン!!』

地面が大きく盛り上がるとドン!と一つだけ大きな音が辺りに響いた。
逃げていた全員が足を止めアズリアに注目した。
何か起きたわけでもなかったが、次第に彼女が何をしたのか明らかになっていく。

「全員止まるなー!!巻き込まれるぞ!!」

しかし時既に遅しーーーー

彼女を中心に地面がひび割れていき、赤犬の身体ごと沈んでいく。
それは処刑台前全体に広がり地面が大規模な陥没が起きた。
それは敵味方関係なく全てを飲み込んでいく。

「おのれぇーー!!アズリアーーー!!!」

赤犬にもそのダメージがきていた。
表面的なダメージではなく、内部自体にダメージを与えるその技は自然系とはいえ避けられるものではなかった。
身動き一つ出来ずにそのまま飲み込まれていく。
かろうじて逃げ延びた連中は激しい土煙の中瓦礫に巻き込まれた仲間を必死に探していた。

「何て深いんだ…………」

「これじゃ………」

島の底ギリギリまで起きたその陥没はかなりの深さで巻き込まれた連中は絶望的だった。
アズリアは防護壁からその様子を眺めていた。

「少しは足止めになったかな?」

「このバカ船長!!」

「そうだぞ!!俺らまで巻き込むか普通!」


「悪い…………」

何とか這い上がってきたのはグラフとスミノフだった。
巻き込まれたのはこの2人のみ。
他の隊長たちは無事だった。
マシューの方はギリギリ陥没せずに済んだが、それでも冷や汗をかかずにはいられなかった。
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