BOOK@

□新時代編E
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「重力を操るのか…………?」

もしそうならいくら離れたところで、意味がない。
あえて勝負に出たアズリアは、両腕を硬化させて前に出た。

「何やってんだい?」

「おー鶴ちゃんか、どうだ煎餅食わんか?」

「いらないよ、それより一体何してんだい?」

「力試しだそうだ」

一進一退の攻防が続く中、距離を取った藤虎は刀を今一度構えると、空に向かって衝撃を飛ばす。

「一体何を………………」

遥か上空を見ると、黒い点みたいなものが見えた。
それはだんだんと大きくなっていきこちらに近付いて来る。

「何だあれ………?」
「嘘だろ……………!?」

「隕石だと!?」

猛スピードで近づいくる隕石に逃げ出す海兵たち。
しかし、お偉方は落ち着いた様子でそれを見ていた。

一方のアズリアは、頭を掻きながらどうしたものかと考えていた。

「めんどくさいなぁ…………」

「少々やり過ぎちまったようで」

「ガープ、アレに向かってあたしを投げて」

「何じゃと!?」

何か策が有るにしてもいきなりの事でガープもたじろいでいた。
黄猿は指からレーザーを放ち応戦するが、焼け石に水で表面のみしか攻撃が当たっていなかった。

「つべこべ言わずに早く投げてよ。砲弾投げてるんだから、軽いもんでしょ?」

「どうなっても知らんぞ」

「早くして」

構えたガープの手のひらに乗ると、思い切り空に向かって投げ飛ばされた。

「古武術八卦・奥義……………」

隕石の真ん前まで来たところで両腕を硬化させ、自分の正面に構えた。

「翁狼の牙!!」

両腕を突き出し、隕石を受け止める形で殴る。
全体にヒビが入ったが、割れる事はなくなおも落下は続く。

「これじゃダメか………………」

仕方なく隕石の上に乗り、何度か殴るがビクともしない。

「大丈夫なのかい?」

「何とかなるじゃろ」

地上で見ていた重鎮たちは、目の前に隕石が迫っているというのに呑気に座り人事のように話しをしていた。
サカズキも、腕組みをしたまま動こうとはしなかった。

そうこうしていると、突然隕石が空中で大爆発した。
幸い大きな破片は降ってくることなく、大惨事は免れたが戻ってきたアズリアの服はボロボロでかなり頭にきている様子だった。

「全くいい迷惑だよ!!」

「すぐに家に帰ろかねぇ?着替えなきゃいかんでしょう?」

「せっかく買ったばかりだったのに………………」

「だったら今度はわっしが買ってあげるからねぇ?」

黄猿は自分が着ていたコート羽織らせ、アズリアを早々にその場から連れ去った。

見ていたガープやサカズキも一瞬構えたが、黄猿のナイスなアシストですぐにやめた。

「危なかったのぅ?」

「黄猿には感謝しなきゃね。でなきゃ今頃、あたしらは全員殺されてかもしれなかったんだから」
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