BOOK@
□新時代編K
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「美味しいかぁい?」
「子供扱いしないでよ!!」
「ホットミルクがいいかぁい?それとも、ジュースがいいかぁい?」
「もぅ・・・・・・」
自分の膝の上でクッキーを頬張るアズリアの姿を目を細めまるで我が子を見る目で眺めていた。
黄猿の執務室にはマシュー、ツル、サカズキ、呼ばれてきたセンゴクが居たが四人はソファーに座り深い溜め息をついた。
「で?あんたが子供になったって事は、ゼファーと一戦交えたんだね?」
「ぅん・・・・・」
「全く何をやっているんだ・・・・・」
あきれ果てたセンゴクは、これ以上見てられなくなり執務室を出ていってしまった。
サカズキもまた、仕事が残っているからと言う理由から出ていってが実際のところは二人のイチャイチャを見たく無かったからだ。
「それで?ゼファーって何者?」
「アイツは、元海軍大将【黒腕のゼファー】」
「黒腕・・・・?」
「アイツが・・・・・」
昔、ロジャーや白ヒゲから聞いた事はあったがアズリア自身は逢ったことがなかった。
ガープのように能力は持たず、腕っぷしだけで海軍大将になったと聞いている。
「そんな奴が何故、NEO海軍なんて名乗ってるの?」
「アイツの家族は海賊に殺され、さらには教え子たちも海賊に殺された。海軍じゃ果たせない正義を自らが果たそうとしてるんだよ」
「それで、奴は一体何をしようとしてるの?」
「エンドポイントの破壊。それが何を意味するか分かるだろう?」
「エンドポイントって、あれはウソなんじゃ・・・・・」
「マシューは知らないか。エンドポイントはある、先にやられたファウス島がその一つ」
世界政府は嘘の情報を流していたため、マシューは知らなかったがアズリアは五老星から聞いていた。
「それが破壊されたらどうなるんですか?」
「3つのエンドポイントが壊されたら、新世界は終わり。もちろん、そうはさせないけどね」
「終わるって・・・・・」
「連鎖的に火山が噴火し、新世界の海は無くなり焼け野はらになって皆さよならってなるわけ」
かなりおおざっぱだが、マシューには分かったらしい。
海軍はすでに動いているらしく、次のエンドポイントがある島【セカン島】に部隊を派遣しているらしい。
アズリアも隊長たちに連絡し、ゼファーたちを捜索させていた。
「アズリア、これからどうするんだぁい?」
「とりあえず、セカン島に行ってみるね」
「だったらわっしも一緒に行くよぉ?」
「何馬鹿を言ってるんだい!!あんたは海軍の仕事があるだろう!!保護者ぶってる暇があるならさっさと報告書書いちまいな!!」
「大丈夫、今度は油断しないから」
黄猿の方を向くと、いつもならここで熱いキスをするとこだがさすがに子供なので無理がある。
両手で黄猿の大きな顔をつかむと頬にキスした。
黄猿もアズリアの小さな体をそっと抱きしめながら、同じように頬にキスする。