BOOK@

□シャボンディー編A
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楽しかった観光地は今や海賊と海軍の戦場に成り変わっていた。


【天竜人が海賊に危害が加えられ今も人質になっている】


その一報でシャボンディー諸島に駐在している海兵はもちろんだが、海軍本部からも大将を始めとした戦力が集結していた。

大将が来ると聞いた海賊たちは我先にと船に乗り次々と出航する。それでも逃げ遅れた海賊たちは海軍に捕まり連行されていく。

「おっ、おい、あれってまさか・・・・」

「たっ、たっ、たっ、大将だぁー!!大将黄猿が来たぞー!!」

軍艦から砲弾が発射される。
その弾の一つに乗りがら現れた1人の男性。
一瞬で姿が消えたと思うと、光と共に
シャボンディー諸島27GRに降り立った。

黄色いストライプのスーツ、金縁のサングラス、白いコート、背中には【正義】の二文字。
海軍最高戦力と言われる、海軍本部大将黄猿。

「にっ、逃げろー!!」

蟻の子を散らしたように、一目散に来た道を戻り始めた海賊たち。そんな様子にも黄猿は目もくれず腕の黒い電伝虫に話しかける。

「もしもぉ〜し?こちら黄猿ぅ〜?もしもぉ〜し?」

途方にくれていた黄猿に攻撃を仕掛ける二人の海賊。当然効くはずもなく逃げるが呆気なく見つかったが、黄猿には攻撃する意思は無かった。

「あれが黄猿?」

「ええ、海軍大将の中でも謎が多い人物のようで何の能力かもあまり知られていないとのこと。」

建物の屋上から黄猿の様子を眺めていたアズリアとマシュー。
そんな時、黄猿が放った一撃を見て度肝を抜かれた。
足から放たれたレーザーによってヤルキマン・マングローブを根元からへし折る程の威力。

「へぇー、面白い能力じゃない」

「自然系ですかね?」

「レーザーか………」

「厄介な能力ですね…………」

あまりの驚きに腰を抜かしていた海賊たちに脇目も触れず、どこかに向かってフラッと歩き始めた。
後を追って屋上を移動し始めた二人。

「誰かを探してる?」

「あの様子だとそうみたいですね」

気配を消し、見つからないようにある程度距離を取って移動していた。
折角のバカンス中に何か問題でも起こしたら奴に何を言われるか分からない。
マシューは黄猿の動きを先読みして慎重に行動した。

「待って下さい」

黄猿が止まったのを確認するとアズリアにも動かないよう指示を出す。
よく見ると噴水の石畳に座る海賊に話しかけている様子だった。

「見たことない海賊だね?」

「あれは確か【最悪の世代】と呼ばれる億超えのルーキーですね」

「へぇー………」

黄猿の真後ろにある建物に移動すると、見つからないよう身をかがめて様子をうかがった。

「戦桃丸と言う男を知らんかねぇ〜?


「そんな男は知らん、他を当たるんだな」

「そうしたいのはやまやま何だけどぉ〜、こんな所でこんな首を逃す訳にはいかんでしょう?懸賞金2億4900万、魔術師バジル・ホーキンス」

その目は完全にルーキーの1人、ホーキンスを獲物として捉えていた。

「速度は重さ、光の速度で蹴られた事はあるかぁ〜い?」

そう言うといきなり攻撃を仕掛け、ホーキンスと呼ばれた海賊は建物に蹴り飛ばされた。
更に指からもレーザーを出し追い討ちをかける。
誰もが死んだと思っていたが瓦礫の中から無傷で立ち上がり、何事も無かったように振る舞う。

「『光』か、ある意味最強の能力だな…………」

「そうですね…………しかしあのルーキーの能力も侮れませんね」

ホーキンスの足元に転がるニ体の藁人形。
ダメージを変わりに受けたと見て間違いない。
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