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□シャボンディー編B
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戦いが終わりパシフィスタを引き連れ再び移動を始めた黄猿。
何やら子電伝虫で誰かと話しをしていた様子だったが、あまり聞こえずどこに向かうかまでは分からなかった。

「どこに行くのかな?」

「分かりませんが誰かと合流するのでは?」

ギリギリ肉眼で確認出来る距離を保ち尾行を続ける。
歩き始めて15分位は経っただろうか、黄猿が歩くその先の広い場所で激しい爆発音と叫び声が聞こえる。

どうやら事件を起こした海賊団の一つが戦っているらしく、黄猿は光になり消えパシフィスタもまた走り出した。

「あれが犯人?まだ子供じゃない…………」

「あれは確か…………ルーキーの中でも異色の存在と言われている『麦わらのルフィ』と、その一味ですね」

「異色?」

「えぇ、あの『英雄ガープ』の孫であり、世界政府に喧嘩を売ったと言う………」

ようやく近くで見られる所まで来たが、黄猿が登場したことでもはや麦わらの一味に抵抗など無意味であった。

「これは流石にやり過ぎじゃないの海軍・・・・・」

「ちょっと異常ですね・・・」

いくら天竜人に手を出したからと言ってここまで戦力を集中して潰しに掛かるのはどう考えてもおかしい。
海軍の面目もあるからとはいえ、一海賊団に対しての戦力とは到底思えなかった。

「ずいぶん張り切ってるじゃない?」

「海軍の面子もありますからね?」

「やり方があまりにもえげつないね………………」

海軍大将、海軍科学部隊隊長、人間兵器。
若い彼らにしてみたら、もはや地獄と言っても過言ではなかった。

世界政府も海軍も、この事件を好機とみて司法の島での借りを返そうと躍起になっている。
マングローブの根元からコッソリと覗き様子を見ていると一味の一人が黄猿に捕まり殺されそうになっている。

「ゾロー!!」

「やめろぉー!!」

捕まった仲間の1人を助けようと、骸骨らしき生き物と長鼻の青年が攻撃をするが全て通り抜けてしまう。

「あれは、ニコ・ロビン?」

「彼女も麦わらの一味だったんですね?」

ゾロと呼ばれた青年を助けたのは嘗てのオハラの生き残り。
一度だけ、彼女が幼い時に会ったことがあった。

彼女の能力で一度は危機を脱したかに見えたが、光の速さで移動され今度は確実に逃げられないよう左足で踏みつける。
光輝く右足は青年の頭を狙う。

「移動もさせない…………無駄だよぉ〜…………今ぁ、死ぬよぉ〜………」

高く掲げられた右足。
無情にもその足が振り下ろされようとしていた。


ヒュンーーーー


ドカーン!!


「あれは…………」

「生きてたんだ…………」

麦わらの一味のピンチを救ったのは白髪頭の老人。
たが知る人ぞ知る、伝説の海賊団【ロジャー海賊団】のかつての副船長、冥王シルバーズ・レイリー。

ロジャー海賊団解散後は死亡説が流れ故人とされていた人物の突然の登場。

「彼等を見逃す訳にはいかんかね黄猿くん?」

「勘弁して下さいよぉ〜、ここでこの子らをとっ捕まえかねぇ〜と海軍本部がマリージョアの天竜人たちに顔が立たんでしょうぉ〜。邪魔せんで下さいよぉ」

『ウソップ!ブルック!ゾロを連れて逃げろ!!全員逃げる事だけ考えろー!!今の俺達じゃ、勝てねー!!!!!』

これを好機とみた麦わらが一味全員に逃げるよう声を振り絞って言い放つ。

「潔し、腹が立つねぇ〜」

全員がそれぞれの方向に逃げる。
黄猿は先ほど仕留め損ねた青年に狙いを定めて能力を発動する。

「八咫鏡!!」

光をマングローブに反射させ移動をしようとしたが、レイリーが剣でそれを邪魔する。

「君は行かせん!!剣など久しぶりだが…………」

邪魔された黄猿は光輝く剣を創り出すと、レイリーと戦う羽目になった。

「天叢雲剣!!!………ふぅ〜、困ったねぇ〜軽い気持ちでこの島に来たのにねぇ〜………」

「戸惑いこそが人生だよ黄猿くん?」

レイリーが足止めしていたお陰でこの場から逃げる事が出来た麦わらの一味。
しかし、その場に居た全員が忍び寄る影に気付きはしなかった。
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