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□頂上戦争B
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誰もがその人物たちに驚いた。
インペルダウンでもレベル6、特に過去に起こした事件が最悪かつ残虐性極まりない世間からその存在すら消されていた凶悪すぎる犯罪者たち。

「黒ひげ!!!それが目的だったのか・・・!!」

「海賊とあっちゃ、正義の門は開かずインペルダウンにも入れねぇ!!これの為だけに七武海になったんだ!!だが、もう称号はいらねぇ!!!」

これほどまでの屈辱はなかった。
センゴクは今まで味わったことの無いくらいの憤りを覚えた。
己の欲の為だけに、白ひげ海賊団と海軍を戦争させ脱獄不可能と言われたインペルダウンで囚人たちに殺し合いをさせた挙げ句、その囚人たちを引き連れてこの戦場に現れた。

逃げていた白ひげ海賊団の隊長も黒ひげの登場により、かつて奴によって殺された四番隊隊長サッチの敵を討とう戻ろうとしたがそれを白ひげを止める。

「手ェ出すんじゃねぇぞマルコ!!!サッチの無念はこのバカの命を取っておれがケジメをつける!!」

「ゼハハハハハ、望むところだ・・・・!!ブラックホール!!!」

黒ひげの体から黒い煙のようなモノが上がると地面に手をつけると黒ひげを中心に黒いナニかが辺り一体に広がりを白ひげな散乱している瓦礫を飲み込み始めた。
身動きが取れない白ひげ、それを見た黒ひげは勝ち誇ったような顔で高らかに笑う。

「オレはあんたを心から尊敬し、憧れてたが・・・・アンタは老いた!!!このオレが引導を渡してやる!!!」

「あの野郎・・・・!!」

隊長の1人が黒ひげの元へ向かおうとしたが周りに引き止められる。
海兵たちは突然現れた黒い物体に戸惑い近づくことすら躊躇していた。









一方のエース、ルフィ組は、一哲が赤犬の進行を阻止しているお陰で何とか湾頭までたどり着けていた。
だが青雉の能力で海は凍り動かせる船は皆無だった。

「ジンベエ、エースの弟もう少しの辛抱だ!!この先なら…………」

「置いてきなよぉ、麦わらのルフィをさぁ〜…………」

「黄猿!!クソっ、もうここまで…………!!」

行く手に黄猿がレーザーで邪魔をする。
一刻も早く手当てをしなければならないなかでの妨害はかなりの痛手だ。

「逃がさん言うちょるじゃろうがぁー!!!」

「一閃・轟・・・・」

「ぐぅ・・・!!」

追撃に出ようと前に行くが阻まれる。
どんな攻撃も彼の間合いに入ると全て切られてしまい、赤犬の怒りはつのるばかりだった。
そんななか、赤犬をの前に出て来たのは大剣豪鷹の目だった。

静かな睨み合い。
どちらからも仕掛けようとはせずただジッと機会を伺っていた。

「流石に一筋縄ではいかないようだ…………」

「大剣豪と手合わせ出来るとは運がいいですね…………」

一哲の隙をみて赤犬は前に出たが決して見逃さなかった。
彼が放った斬撃が目の前を通り過ぎた。

「船長命令は絶対ですからね」











一層泥沼化する戦場。
かろうじて白ひげから離れたマシューは黒ひげの謎の攻撃を避けて休んでいた。
その横にもアズリアも来ていた。

「船長…………」

「とにかく近づくな…………得体が知れない」

とにかくマシューを抱えこの場から離れた。
白ひげは身動きが取れずに、その黒い物体に少しずつ飲み込まれていく。
目を細め、厳しい顔つきでそのやり取りを見ていた。
白ひげの命がもう尽き掛けていることを悟る。
身動きが取れないのではなく、身体が言うことを利かない程までになっていた。
それでも自分の息子を殺した裏切り者この手で始末するまでは倒れまいと、グッと腕を構え攻撃を仕掛ける。

「おっとっと無駄だぜ!!おれの前では能力は全て無駄だぁー!!“闇水”!!!」

白ひげが能力を込めた拳を黒ひげに向けて振り切ろうとしたが手の平から黒い物体が渦を巻ながら現れ白ひげの能力を吸い込んでいく。
だが白ひげは驚くこともなく、素早く武器を両手で掴み高らかに笑い余裕の表情の黒ひげに切りかかる。

「過信・・・軽率・・・それがお前の弱点だティーチ・・・・・」

一歩、また一歩と飛びかける意識を何とか保ちながら黒ひげに近づき思い切り顎を掴む。
これから何をされるのか、それを想像しただけで黒ひげは恐怖し助けを求めた。

「やめろオヤジ!!オレは息子だぞ、本気で殺す気じゃねーだろ!?」

冷酷なまでの表情で黒ひげを見つめる白ひげ。
いくら息子だと叫んだところで、鉄の掟を破った黒ひげに対して微塵も助けたいという気持ちは湧かなかった。
これで殺された息子の敵は取れる。

悔いはない。

掴んでいた手に残りの力全てを使って攻撃を仕掛けた。

「ガハっ!!・・・クソ、この・・・“怪物”が!!!死に損ないのクセにぃ!!!・・・黙って死にやがらねェ!!」

血まみれの顔面を押さえながら腰の辺りに差していた銃を取り出すと近づく白ひげに一発撃ち込む。

「うぐぅ!!」

足を一歩踏み出そうにもその一歩が出なかった。
黒ひげはそれを見るなりニヤリと口端を上げた。

「ヤっちまえ野郎どもぉー!!!」

一斉に浴びせられる銃弾。
それに加え刀で切られ、刺され、見ていた誰もがその光景を忘れはしないだろう。

「「オヤジィーーーーーーー!!!」」

白ひげ海賊団の隊長は勿論、傘下の海賊たちは涙を流しながらそれを見ていた。
アズリアもまたそれを目を背けること無くジッと見つめていた。
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