BOOK@

□頂上戦争C
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追い詰められた白ひげ海賊団の隊長たち。
一番隊隊長のマルコと五番隊隊長ビスタが赤犬をエースに近づけまいと奮闘するが、手負いのうえ既に戦闘が始まってから3時間が経とうとしている。
体力も限界を迎え、攻撃を防ぐのがやっとの状態。
もはや赤犬を止める手立ては無きに等しかった。

『そこまでだぁーーー!!!!!』

「・・・・・・・・」

「!!!!!!」

追い詰める赤犬と追い詰められた白ひげ海賊団の間に割って入ったのは、名も無き1人の海兵であった。
息を切らし、くしゃくしゃな泣き顔で、震えながら赤犬を睨みつける。
一方の赤犬は、突然の事で多少は驚いたものの直ぐに右手マグマ化させ邪魔をした海兵をキツく睨みつける。

『もう止めましょうよ!これ以上戦うのも止めましょうよ!!!命がもっだいだい!!!!!』

誰もがその言葉に戦う手を止めた。
一瞬にして静まり返る戦場、泣きながらこの戦場にいる全て者たちに聞こえるよう声を最大限に張り上げて続ける。

『目的はもう果たされているのに・・・・!!!!戦意の無い海賊を追いかけて止められる戦いに欲をかいて、 今手当てすれば助かる兵士を見捨てて・・・!!その上にまだ犠牲者を増やすなんて 今から倒れていく兵士達は・・・・・・・・・!!! まるで!!!バカじゃないですか!!?』

息を切らせな涙ながらに戦いを止めようとしている海兵。
その言葉にアズリアは潮時と判断し黒ひげたちから離れ、その海兵の動向を見守った。

「・・・・・・!!・・・・・・・・・ あァ?? 誰じゃい 貴様ァ・・・・・・!!・・・"数秒"・・・無駄にした・・・・・・正しくない兵は海軍にゃいらん・・・!!」

必死の訴えにもかかわらず、赤犬はその言葉に激情し己の正義に従わないいち海兵を手にかけようとしていた。
眼前に迫る赤犬の拳。
海兵たちは誰一人止めようとはせず、むしろそれが当たり前のように傍観者を気取っている。
音もなく忍び寄る影に誰一人気付かない、アズリア以外はーーーーーーーー



「!!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・!!」
                
「・・・・・・・・・よくやった・・・若い海兵・・・・・・・・・・・・・お前が命を懸けて生み出した"勇気ある数秒"は・・・良くか悪くか、たった今 世界の運命を大きく変えた!!」

剣一本で赤犬の拳を止めた1人の人物。
その男の登場は予想外としか言えなかった。
その特徴のある赤い髪、顔の左側には三本の傷、黒いマントを羽織ったその男はーーーーー

「貴様ァ!!赤髪・・・・!!」

「何で四皇がここに!?」

ゆっくりと剣を納め、少し離れた場所に落ちていた麦わら帽を手にすると顔を上げる。

「この戦争を止めに来た!!」

それは白ひげ海賊団は勿論、海軍たちにも向けられて発せられた言葉であった。
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