BOOK@

□新時代編B
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あの一件から更に1ヶ月後ーーーー

早く謝りたかったアズリアであったが、次から次へと囚人たちの目撃情報が入り、結局新設した海軍本部に向かうのに1ヶ月かかった。

新元帥のサカズキの意向なのか、前の本部よりも重厚な作りとなった海軍新本部。

「うわぁー…………………」

「戦争でも始める気ですかね?」

ペガパンクの科学力を最大に生かした、もはや要塞と化した海軍本部。
船を港へ入港させ、降りて行くといきなり銃が構えられた。

「歓迎にしちゃー、少しばかり寂しいんじゃない?」

「また……………海兵を煽るような言い方は止めて下さい」

「ブワッハハハハ!!相変わらずじゃのう!」

盛大な笑い声をあげながら、現れたのは旧友のガープだった。
海兵たちも銃を下ろして、持ち場に戻る。

捕まえた囚人たちの引き渡しをマシューに任せ、自分はガープと共に新しい海軍本部の中へと入っていく。

「どこ通っているか分からない………………」

「ブワッハハハハ!!わしもしょっちゅう迷っとる!!」

「えっ……?」

迷路のような作りの内部は、案内板みたいなのは無く、矢印や標識すら見当たらない。
迷わず突き進んでいたガープであったが、途中から足取りも遅くなり終いには立ち止まってしまう。

キョロキョロと辺りをみて、何かを確認しているようだが、アズリアから見れば完全に迷っているようにしか見えなかった。

「はぁー……………」

「ブワッハハハハ!!迷ったのう!!」

「笑い事か!!どうすんの!?ここは何処?出口は!?もうーー!!」

ゲラゲラと陽気に笑うガープを後ろから蹴飛ばす。
とにかく、一旦出口に戻ろうと来た道を進み始める。

「えっと………ここはさっき通ったから、こっちか?」

「物覚えがいいなー!!ブワッハハハハ!!」

「黙ってろ!!役立たず!!」

海軍本部に居ながら、初めてここを訪れたアズリアに付いて歩くガープ。
ようやく一本道になり、後は進むだけとなったアズリアは急ぎ足で廊下の角を曲がると、とっさに戻ってしまった。

「何じゃ……」

「しっ!!!」

何事かと思い、壁づたいに体を張り付けてコッソリと覗く。

『あの!!……………きっ、黄猿さん!!』

『んん〜、何だぁい?』

顔を引っ込めたガープは、あぁ………と、心の中でため息をついた。
2人の仲が険悪なムードになっているとは、つるから聞いてはいた。
だが、それに輪を掛けるように最悪な状況が重なる。

黄猿は昔から女性には優しく、意外にもモテていた。
しかし、大将と言う立場にあるためなかなか告白する者は現れなかった。(今日までは)

『あの…………その…………私、黄猿さんがっ!!……………』

『わっしが何だぁい?』

優しく微笑みながら、頑張って告白する女性に目線を合わせ肩に手を掛ける。

ピシッ!!!

何かにヒビが入る音が聞こえた。
ガープは恐る恐るアズリアを横目で見ると、無表情のまま耳を傾けていた。
新しく建てたばかりの建物には、大きな亀裂が入っていた。

『すっ、すっ……………好きです!!』

一瞬驚いた顔をした黄猿であったが、すぐにまた、ニコニコ笑いながら女性の肩に置いていた手を離す。

『おぉ〜、嬉しいねぇ。だけどぉ〜………………』

そこから話しは一切耳に入らなかった
アズリア。

『嬉しい』

雷にでも撃たれたような衝撃が全身に走る。
壁から離れ、フラフラとまた来た道を戻り出したアズリアは、まるで道を知っていたかのように簡単に出口にたどり着いた。
追い掛けて来たガープは、1人慌てふためいていた。
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