BOOK@
□シャボンディー編A
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そうこうしている間に今度は羽が生えた大男と七武海のくまが現れた。
しかし、くまと思われるそれはくまではなく海軍の科学者ベガパンクによって作られたパシフィスタだった。
「あれは…………噂に聞く『機械兵器』ってやつか?」
「くまそのものですね…………」
「そして…………またまたルーキーの登場?」
「ですね」
くまの肉体に黄猿のレーザーを導入した海軍の新兵器。噂は耳にしていたが、まさか完成していたとは誰も予想してはいなかった。
「海軍本部大将に、人間兵器のパシフィスタ…………どうするルーキー諸君?」
「まず無理でしょうね、どんなに名のある海賊だろうと大将とパシフィスタ相手に勝ち目があるとはとても…………」
そんな会話をしていると新たに登場したルーキーの体が先程の二倍大きくなりパシフィスタに攻撃を仕掛ける。
互角に戦っているかに見えたが、パシフィスタのレーザー一撃で呆気なく沈んだ。
「まぁこれが現実だな?」
「えぇ、所詮はルーキー、例え億超えでも覇気が使えないなら尚更でしょうね」
確実に息の根をとめる為にパシフィスタが構えると突然の乱入者に吹き飛ばされた。
こんな状況の中に入ってくるのは余程の馬鹿か命知らずなものだ。
「これはこれはドレーク少将〜、いや元少将かぁ〜い?」
「しまった!?黄猿に見つかる気はなかったのに……………」
黄猿との会話を聞いていると、どうやら元海兵だったその男は海賊として旗揚げしていた。
彼もまた最悪の世代の1人。
新世界に入る為に立ち寄ったのだが、運悪く事件に巻き込まれ、人間兵器パシフィスタが導入されると聞いて偵察に来たつもりだったがお人好しが災いしてしまいこの有り様。
「存分に見ていくといいよぉ〜?内情を知っている分、絶望も大きいけどねぇ〜?」
無傷のパシフィスタがドレークの前に立ちはだかる。
覚悟を決めたドレークの身体は恐竜に変化、その鋭い牙でパシフィスタの頭に噛み付きもぎ取ろうとする。
「これはまた、珍しいですね…………」
「古代種かぁー…………いいなぁ〜、欲しいなぁ〜」
キラキラと目を輝かせながら、ドレークと呼ばれた男の戦闘を眺めていた。
が、奮闘虚しく彼もまたパシフィスタの一撃で沈んでしまう。
更にはウルージも後ろにいた黄猿に気付かずにそのまま蹴り飛ばされ瓦礫の海へと消えた。
ようやく戦う意志を見せたホーキンス、全身が藁らしき物で覆われていき化物と化した。
黄猿は横目でそれを驚く様子もなく見ていた。
攻撃を仕掛けるがあっさりとかわされ、逆に仕掛けられてしまう。
「ふぅん、何の能力かは知らないけど実体は有るみたいだねぇ〜?」
所詮はルーキー、海に出たばかりのヒヨッコが海軍大将に勝てるわけもなく一方的な攻撃により追い詰められる。
「♪〜♪〜♪〜♪〜」
どこからともなく聞こえてきたノリが良い音楽。
その正体はアズリアたちが居る建物の斜め向かいに居る男からだった。
彼もまたルーキーの一人、スクラッチメン・アプー。
「今日はルーキー達が勢揃いだねー」
「『運命』ですかね?」
「さぁ?」
不思議な能力ではあるが、どれほどの力があるかその動向を見ていた。
「海軍大将黄猿〜〜!」
そう叫ぶと黄猿の腕が取れ宙を舞い、更には爆発し身体は真っ二つになり地面に倒れた。
「少しはやるじゃない?」
「ですが時間稼ぎにもならないでしょうね」
マシューが言う通り、自然系能力者だけあってそんな攻撃も効くはずなく直ぐに再生しアプーを一瞬で沈めた。
それからはものの数秒の出来事で三人を撃沈。
これが海軍大将の力だと言わんばかりに見せつけた。