BOOK@

□頂上戦争C
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軍艦や海賊船を掻き分けて現れたのは赤髪海賊団の船と船員たち。
海兵たちは驚きを隠せずにいた。
それもそうだろう、この戦争が始まるつい昨日、四皇の【カイドウ】と一戦交えたばかりだったからだ。
その足でこの戦場に来たのだ、やはりと言うべきなのだろう。

一方のアズリアはここが退き際とみて、煙草を一本取り出し瓦礫の上に座ると火を付けゆっくりと吸い込むと倍以上の時間をかけて吐き出す。
煙草を咥えながら、乱れた髪を整え結びなおす。

「船長・・・・・・」

「・・・・・・・・せんちょ〜!!」

「無事ですかい船長さん・・・・・・?」

戦っていた隊長たちも各々退き際と判断し続々と彼女の元に集まってきた。
小柄な女性が泣きながらアズリアに抱きつき、子供のように泣きじゃくる。

「せんちょ〜・・・・・・・・」

「ごめんごめん、大丈夫だから・・・・・・・・・・ほら、泣かないでビー?」

頭を撫でながら、湾頭付近をジッと眺めていた。
麦わら、ジンベエを乗せた潜水艦は海へと潜ったが青雉、黄猿の最後の猛攻にあってしまい無事なのかは分からない。
エースを乗せた船は無事に出航し、潜水艦より一足先に沖へと出ていた。

「船長、副船長は・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

一抹の不安が頭をよぎる。
だが、これしきで倒れるようなら副船長などという大役を任せられる筈もない。
実力は海軍大将と互角、アズリアはマシューを信じて待っていた。


(マシュー、これしきで死ぬようなお前じゃないよね・・・・・・・・・・)


しばらくすると湾頭から、赤髪海賊団の一行がこちらに向かって来ていた。
その少し離れたところをマシューが片腕を押さえながら歩いていた。

「これ以上欲しても、両軍被害が拡大する一方だ・・・・・・・・・もし暴れ足りない奴がいるのなら!!!!!・・・・・・・・・・・・来い、俺たちが相手だ!!」

その場にいた全員に睨みを利かせ、圧倒するシャンクス。
傷付いたマシューは、ようやくアズリアの元にたどり着いたが体力など等になく、眠るようにその場に倒れ込む。

「オオワシ、船に連絡して医療班の待機をさせておけ。それから出航の準備もだ」

「了解した」

スミノフに軽々と抱えられたマシュー。
無理をさせたな、と心を痛める。

「どうするティーチ・・・・・・・・・・?いや、黒ひげ!!」

四皇相手に睨まれたら普通は恐れをなしてしまうところだが、黒ひげはニヤリと笑うと高らかに大声で笑う。
それは恐れからなどではなく、明らかに余裕を見せてのことだった。

「ゼハハハハ、男前が上がったなぁ赤髪・・・・・・・・・・似合ってるぜぇ、その傷・・・・・・・・」

疼く左目の傷。
黒ひげをキツく睨み返すと、互いの狙撃手同士が銃口を向け合い緊迫した状況を作り上げた。

「それからあんたもだ、アズリアさん。これ以上混乱を招くような事はしないでもらおう!」

目線を黒ひげから彼女に移された。
かつてはロジャーの下にいた青臭い子供がいつの間にか四皇などと呼ばれ、立派な海賊になったものだと感心していた。

「・・・・・・・・・・随分ナメた口をきくようになったじゃない?赤髪の坊や・・・・・・・・・・・・」

紫煙を吐き出したながらゆらりと立ち上がるとシャンクスと正面きって向かい合う。
四皇とは言え、ロジャー、白ひげに並ぶ伝説的な海賊にそんな口を利けばただではすまない。
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