BOOK@

□パーティー編@
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時刻はパーティーが始まる6時を指していた。
会場には多くの海兵が居たが、中には政府高官や天竜人も居た。

海軍の重鎮三人と大将三人は窓際の席に座りお酒や料理を楽しんでいた。
しかし、一人だけはそわそわと落ち着きがない様子で会場を見渡していた。

「少しは落ち着いたらどうだい?大の男がみっともない……………」

「そう言われましてもねぇ〜…………」

「今にコングさんと来るんじゃないのか?」

そう言われても一週間振りに彼女との再開。
大事な彼女に傷でも付いていたどうしようか
もしかしたら何も食べさせてもらってなくて動けないのでは?

そんなことばかり考えますます不安になる黄猿。

「おぉ、ここに居たか」

「コングさぁん!アズリアはぁ…………」

「ここにいるだろう?」

「へぇ?」

キョロキョロとコングの周りを探したが見当たらない。

「ほらいい加減出てこい!」

「ヤダっ!!ちょっ!!」

無理矢理コングの後ろから引きずり出されたのは、青いマーメイドドレスに身を包んだアズリアだった。

「あららら、ずいぶん女らしくなっちゃって……………」

「馬子にも衣装とはまさにこの事じゃな…………」

「おぉ〜参ったねぇ〜……………」

普段の彼女とは全くの別人に見えた。
ドレスを着た事により強調された体のライン。
胸を隠す代わりに背中が大きく開かれていた。

普段絶対身に付けない煌びやかな宝石の数々。
髪は下ろされておりより一段と女性らしさをアピールしていた。

「はぁー…………だから嫌だったの」

「まぁいいじゃないかたまには?」

「それで肝心のアイツが居ないじゃない?どこ行った?」

魂が抜けた黄猿の横に座り足を組む。
目の前には鋭い目つきの青雉が居た。
その目線を追うと、スカートからギリギリ中が見えるか見えないかのラインを見ていた。

「鼻血出てる……………」

「本当に参ったわ、こんな美人ならもっと早くに出会いたかった!!」

鼻血を拭い、本当に悔しそうに語る。
それはさて置き、隣に座る黄猿はと言うと未だに魂が帰ってこない様子。

(ボル!!ねぇボル!!)

体を揺らし小声で名前を呼ぶが戻ってこない。

黄猿は自分が生きてきた人生の中でこんなにも幸せを感じる瞬間はなかった。
普段はとても凛々しく、男も寄せ付けない雰囲気のアズリアが、ドレスを着ただけでこんなにも変わるとは夢にも思わなかった。

とても美しく、キラキラと輝いていて、腰のラインがとても色っぽくて………………

「おぉ〜、見つけたえ!!」

急に現実に戻された。
聞き覚えのある声。

「おぉまさに女神だえ!!」

「チッ!!」

((天竜人相手に舌打ち!?))

全員がツッコミたくなった。
明らかに不機嫌になるアズリア。
理由を知っているのはコングと黄猿のみ。
しかし、その場に居た全員が何故なのか直ぐに分かる事となる。

「やはり私の見立てに狂いは無かったえ!!おーおー、良い体だえ………この引き締まった尻、最高だえ……………」

「ドレスありがとうございました、用が無ければそろそろ帰りたいのですが?」

怒りを抑え話しを進める。
その様子を見ていた重鎮三人と青雉はチラッと黄猿を見る。

((こっちもヤバい!!))

アズリアの後ろには真っ黒いオーラを放ちながらサングラスを光らせている黄猿。
慌てて青雉が近寄るが2人とも殺気が凄く近寄れない。

「ヤバいですってセンゴクさん!!」

「ガープどうにかならんのか?」

「何故ワシにふるんだ!!つるちゃんどうにかならんか?」

「あたしゃ知らんよ………」

慌てふためく4人をよそにコングだけは妙に落ち着いていた。

「実はなお主に頼みたいことがあるんだが………ここでは話しづらいゆえどこか静かな場所で話しをしないかえ?」

「分かりました」

エドワード聖に連れられて行くアズリア。
腰に手を回し一緒に歩く姿を見ていた黄猿はグッと握り拳をつくり思い切りテーブルを殴る。

「落ち着け黄猿!!まだ何も…………」

「何か起きたらぁどう責任を取るつもりでぇ?」

「じゃが、天竜人に手を出せばただではすまんぞ?」

「そうなったとしてもぉ、自分の女1人守れねぇようじゃ大将やってても意味がねぇでしょう〜?」

「すまんな黄猿…………今回ばかりは我慢してくれ」

口を開いたのは先程から黙って様子を見ていたコングだった。

「それはどうゆう意味ですかぁい?」

「老人たちからも言われていてな……………」

五老星が絡んでいるとなると、いよいよセンゴクたちも手が出せなくなる。
グッと奥歯を噛み締めこの状況を飲み込むしかなかった。
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