BOOK@

□新時代編B
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「船長………?なにか…………」

「……………直ぐに船出して」

「えっ…………」

「早く…………」

引き渡しもまだ済んでいないのに、急に船を出せと言われ迅速に作業を進めた。
書類へのサインはガープに任せ、物資関係も何もかも積まずに出航したアズリアたち。

「何だい、アズリアが来たんじゃないのかい?」

「それがのう……………」











「ハッハッハッハッハッ!!」

「笑い事じゃないじゃろ、センゴク!!」

「良いじゃないか、そんなに世の中甘くないって事だ!!ハッハッハッハッハッ!!」

大好きなおかきを食べながら話しをするのは、海軍元帥の座を降りて悠々自適に過ごしているセンゴク。

頭に手を当て、深くため息をつきながら深刻そうに話しをしているガープはつるに助けを求めた。

「全く、あんたが側に居ながら何やってたんだい?」

「仕方ないじゃろ!!迂闊に手を出せば、こっちにも被害が来るかもしれんかったのじゃぞ!?」

「だからって、その場から連れ出すとか何か手はあっただろうに………………だから男は役に立たないんだよ」

「ハッハッハッハッハッ!!それを言われちゃわしらの立つ瀬がないな!!」

「あんたは少し黙ってな」

つるの部屋に集まって、アズリアと黄猿との仲をどうしたものかと話し合っていた重鎮3人。

コンコン!

ふいにノックする音が聞こえ、入るように促した。

「おつるさぁん、何か用ですかぁい?」

入ってきたのは当事者の1人、黄猿だった。
3人が並ぶソファーとは反対側に座るよう言われ、大人しく黄猿は座る。
お茶を出され、一口すするとつるは直球な質問をする。

「あんた、告白されたんだって?」

「ブッ!?ゲホっ、ゲホっ、ゲホっ、何で知ってるんですかぁい!?」

「ガープとね、アズリアが聞いてたそうだよ?それで、何て答えたんだい?」

話したくても、咳がなかなか治まらずしばらく待つ羽目になった。

「ふぅ〜……………」

「それで、何て答えたんだい?」

「ちゃんと断りましたよぉ〜」

「だったら何でアズリアはさっさと帰っちまったんだい?…………………何も隠して無いだろうね?」

鋭い眼光が黄猿を睨む。
ガープ、センゴクは黙ったままそのやり取りを見ていた。

「確かに断りはしましたけどねぇ〜、冷たく突き放す訳にもいかんでしょう?」

「何て言ったんだい?」

『おぉ〜嬉しいねぇ。だけど、わっしにはもう大事な人が居るからねぇ、君の気持ちには応えられないんだよぉ〜』

途端に深いため息して、つるは黄猿を先程よりもさらに鋭く睨みつける。

「あっちの勘違いにしたっても、あんたの言い方も悪いんだよ?分かっているのかい?」

「はぁ……………」

「それが分からないようじゃ、あんたたち2人は終わりだね…………」

容赦ないつるの言葉に、返す言葉が見つからない黄猿。見かねたつるは、追い討ちとばかりにさらに厳しく言葉を掛ける。

「バカ正直に『嬉しい』何て言うんじゃないっことだよ!!あんたにしてみれば、傷付けずに断ろうとしているんだろうけども、周りが聞いたら誰だって勘違いするだろうさ!違うかい?」

「そんなつもりは……」

「あんたはそうだとしても、アズリアはそうとは思わなかったってことだよ!」

珍しく感情的になるつるに、両側にただ座っていた2人はなだめようと背中をさする。

「つるちゃん、そんなに黄猿を責めずとも…………」

「何甘ったるい事言ってるんだい!?30年前の事を忘れたのかい!?」

う〜ん……………
首を傾けながら悩む2人。
思い出そうにも、歳のせいか忘れっぽくなっており全く思い出せずにいた。
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