仁亀
□ハッピーバレンタイン
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「ねぇーねぇー!かめ!ちょーこー!」
今年もこの季節がやってきた。
バレンタイン2日前。
仁は俺からチョコを貰いたいらしい。
「んー、考えとく」
なんて言っておきながらちゃんと用意してある。
なんて、
ないない。用意するつもりなんて毛頭ありません。
「そうやって毎年はぐらかすんだ!
もっとさ!かわいいカップルみたい
に!
不器用なりに頑張って作ったけど結局渡せなくって…みたいな!
そんな展開を考えたりはしないのかね君は!?」
赤西さん、私の特技は野球と料理ですよ
渡すからには完璧なチョコ作るんで、
まぁ作らないけどね
「ないねー。聞くだけでお腹いっぱい」
かわいいカップルは目指してないんです。
ジェスチャーでナイナイと手を降ったあとに無言で合掌したあとに
チラリと顔を上げて仁を見ればまたいつもの顔をしている。
「あー、またそうやって拗ねる」
ぷっくー、と頬をふくらませてうつむく仁は子供みたいだ。
頭をなでてやればぎゅうぎゅうと苦しいくらい抱きついてくる。
まぁこのくらいは許してやろうじゃないか
バレンタインまであと2日
今年は何をしてやろうかなぁ