仁亀

□来訪者
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「それでさぁ!あのスタッフがすっげー嫌味なやつでさ!」

どうも、赤西です。

ただいま自宅のマンションにはお友達の智久くんが来ております。

勝手に来て酒飲んでキレてます

どうやら仕事先のスタッフの愚痴のようですがかれこれ2時間は口が動いて止まりません。

「なぁ、そろそろ俺寝たいんだけど…」

「はぁ!?何言ってんの!ようやく日付が変わったんだからまだ飲むよ!」

なんて馬鹿だこのやろう!

日付が変わったからねるんだよ!

「いや、ほら、俺朝から仕事だから」

「いや…はははっ、俺昼からだし」

何言ってんだよ、と笑ってビールを一口


お前何言ってんだ?


「えっ、えー…」

どうやってこの場を切り抜けるか、そしてなおかつこの男を帰らせるか

あれ?ちょっと待て?帰らせるって

ガバガバ飲んでるし車どうすんだよ

「ぴぃどうやって帰んの?」

「え?泊めてくれないの?」

話し聞いてた!?俺!明日!

あ!さ!か!ら!し!ご!と!

「酒のんだし、運転できなくて困ったなぁ!」

それ計算だろ!困ってんのは俺だ!

「あっ!歩いて帰れ!」

「何?そんなこと言っていいの?」

意味深にニヤリと笑いグラスを軽く噛む仕草は
イタズラを覚えた子供のようで厄介この上ない

だがしかしここで臆すれば俺の明日は保証できないのだ。

「一応聞くけど何するつもりだよ…」

「仁が今ここで俺を追い返したら…



亮ちゃんを誘って亀梨の家に行く!!」



きっ!!!!!!!


「きったねー!!!!!なんだよそれ!!」



「行くだけじゃない、ヤるのが嫌になるくらいになるくらいまで犯してやるからな」

「おまっ!!!そんなかめのこと嫌いだったのかよ!」

「え?嫌いじゃないよ?むしろwelcomeだし。でもなんか、こう…泣いてグチャグチャにさせたい…よね☆


「だーーーめーーーだーー!!!!絶対ダメだ!!!ダメったらダメだ!!!」

やっ…やりかねない!
あのドS二人ならやりかねない!

「じゃあどうすればいいかわかるでしょ?」

そんなもの答えはもうひとつしかないのをわかっていてこの男はあえて聞いてくる。

「泊まってくださいお願いします」

「え!ほんと!?悪いね!」

俺の悪夢は今日こいつにあった時から始まっていたんだ。

「それよりもさ、さっきからめちゃくちゃケータイなってるよ」

ほら、と指をさした先ではランプがチラチラと光っている。

「ほんとだ、いつから?」

「えーっと、歩いて帰りやがれファッキュ!あたりからかな」

「脚色すんなって」

あれ?じゃあこのケータイずっと鳴ってんの?

「あっ!!!!ああああ!!!!」

ちょっ!この番号は!!

「しかも相手は亀梨くんだーっちゃ」

「だっちゃじゃねぇ!!早く言えよ!!もしもし!」

いつまでもかまっている暇もなく急いで電話に出れば
かめの怒鳴り声が間髪入れずに聞こえた。

『バカ仁!!!このボケ!いつまで待ったと思ってんだよ!バーカ!バーカ!』

「ごっごめん!んでどしたんだよ…?」

『今から家行ってもいい!?お願い!てかもう来たから!』

ピンポーンとベルがなり響いた。

「もっ、もう来たぁ!?」

「なにー?誰が?」

さっきからいろいろなことが一気に起こるどころかどんどん加速して降りかかってくる。

頭はパンク寸前だがこれ以上かめを待たせないために短い玄関までの道のりをダッシュで走った。

「かめ?どうした、うわっ!」

「じーん!!!!助けてよー!」

玄関を開けた瞬間にガバッと抱きつかれて危うく俺の中の正気が倒壊しかけた。

「ちょっ、どどどどしたんだよ!?
何を助けたらいいんだよ?」

あわわわわ、やっべぇ、めっちゃくちゃ、

なんと言うか…!こう!

可愛いなぁおい!

ぎゅっと腕にしがみついたかめはいつもとは違いどうも積極的で…それになんかフルフルと震えている。

なんで震えているのかはどうでもいいが

俺得展開


「頼むから風呂かして!」

え、風呂…

デレデレしていた脳内では一気に熱が冷め
消灯のスイッチが押された気がする。

「いいよ、沸かすからちょっと待ってな、」

「あれ、亀梨じゃん?なるほど、
俺が行かずとも自分から…ぁいだっ!」

バガなことを言っているぴぃに鉄拳制裁

「てか、何亀梨そんなに怯えてんの?」

「いや、べつにぉびぇてっわけじゃないけど?」

さっきから声が裏返ったり出なかったり
明らかに何かに怯えている。

なるほど、さっき震えていたのはこういうことか

「じーん、お前亀梨に何したわけー?」

「何もしてねぇよ!」

ニマニマしながら笑うぴぃがわざとらしくて
わかっているがついむきになって返してしまう。

とりあえず靴を履いたままだったかめを家にあげて風呂の支度をした。
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