ETCETERE

□大乱闘
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「くそっ!…奴は今どこだ!!」

「わかんねぇ…見失った!」

「絶対どこかにいるはずだ!二人共気をつけろよ…」

「こんな時に限って上田と田中はどこ行ったんだよ!」

「仁、田口もいないけど」

「あいつはいたってしょうがねぇ!それより田中と上田だ!」

「二人で出たっきり帰ってきてない!」

「…しゃーねぇ、俺がアイツを倒す…かめと中丸はやつを見つけたらすぐ俺に言え…いいな」

「無茶だ!武器もなしに!考えなおせ!」

「そうだぞ赤西!危険すぎる!」

「じゃあ誰がアイツを倒すんだよ!」

カサカサ…

「!!!?どっから聞こえた!!」

「うっ!!!うしろだぁぁぁ!!!」

ぎゃああああああああああ!!!

「やべぇ!きめぇ!どうしよ!」

「だから無理だっつったろ!スプレーもなしにどうやって戦うんだよ!」

「うぉああああ!!動いたぞ!!!」

「静かに!!」

…。

「いいか、ヤツに気配を悟られるな…今動けばやられるぞ…」

「たっだいまー!ねー見てみてー!このジュース!炭酸アップルティー!思わず買っちゃったー!」

「バカ田口!!黙れ!」

「え?」

カサカサ

ひぎゃああああああああ!!!!

「なっなななななんでこんなところに!?」

「知るかっ!お前が黙ってりゃあいつ動かなかったんだよ!」

「ごめぇーん!」

「まっ、まぁまぁまぁまぁ、落ち着けって、とりあえずどうやって倒すか決めねぇーと…」

「とりあえず、スプレーがないどうしょうもない」

「新聞紙ならさっきスポーツ新聞買ってきたよ!」

「や、それ俺が頼んだやつだろ」

「つーかまず新聞あってもさ、誰が叩くんだよ」

「…俺無理」

「俺も」

「僕もー」

「むり」

「全員ムリか…」

「なぁ、知ってるか?

あいつら叩くと死ぬ瞬間に卵生むらしいぜ」

「うそ!まじかよ!」

「だから叩くのはダメだ、また来る」

「じゃあ脱出するしかないんじゃ…」

「よく見ろよ、奴が今いる場所、扉の前だ、俺はあんなとこ通れねぇ」

「…なるほど」

「そして窓からの脱出も無理だ、つーかそもそもここビルだし、まず無理」

「そんな、俺達どうなるの!?」

「飛んできたりなんかしたら…」

「下手に動かなきゃ死なねぇよ」

「なるほど…え!!!いなくなってるぞ!!!」

「あああ!ほんとだ!!」

カサカサ

「あっ!!!足もとだ!」

ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!

「にげろ!固まるな!散らばれ!!」

ーガチャンー

「わっ!ビッくした!」

「うぃーっす、ただいまー」

「何やってんのお前ら?」

「おせぇよお前らぁ!」

「やっと帰ってきたぁ!」

「聖!そこ!ゴッ!ゴキ…」

「ん?ああ、ほんとだ」

「なんか叩くもんは?」

「上ピー!叩くと奴らは卵産むんだよ!だめだよ!」

「はぁー?なにそれ、じゃあお湯は?それかスプレー」

「お湯!?」

「お湯かけりゃ死ぬ」

「それじゃ楽屋が汚れるだろ!」

「叫ぶなよ…、あー、中丸」

「はい!」

「窓開けて」

「開けました!」

言葉だけでは伝わらないこともあるんです。

あの時俺達は確かに見ました。

田中がヤツの目の前で、

踏むか踏まないかぎりぎりのところでゆっくりと足を上げ

ドン!

というより、ドゴン!

と音をたてたのです。

奴は羽を広げそのまま中丸君が開けた窓へ向かって飛んでいきました。

彼が言うには奴らは死を感じると羽を広げ飛び立つんだそうです。

以上、田口淳之介でした。
 

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