仁亀

□※どんな時でも抱きしめるから
2ページ/9ページ


ぴぃに指示された場所に行くと
横たわるかめと隣りに座るぴぃをみつけた

「かめ!!!」

「ん…っ…ぅ」

急いで駆け寄るとかめは小さなうめき声を上げる。
泣きはらした目があかく腫れている。
顔には無数の痣の後が付いている。

かめの服はボロボロになっていた。
シャツはボタンがはじけ飛び
ズボンはどこにも見当たらない

肩にはコートがかけられている

おそらくぴぃがかけてくれたんだろう


俺はすぐさまかめを抱きしめた。


汗の匂いと男の欲望の匂い
いろんなものが入り混じってぎゅっと目をつぶった。


「かめ、着替えるから、ちょっと頑張って」

「手伝うよ」

持ってきた下着とかをかめに着せようともってきた袋をあさる

下着をはかせようとするが生地が自身に触れるたびに目から涙をこぼして暴れた。
そのたびに大丈夫と言って抱きしめた。

かめをここまで酷く扱った奴らが許せない
憎くて憎くて仕方ない

着替えが終わると俺はもう一度かめを抱きしめた。

「ぴぃ…ごめん…」

「俺のことはいいから、早く連れて帰ってあげなよ、落ち着いたら連絡ちょうだい、みんなで遊びに行くから」

「わかった、ありがとな」

ぴぃはかめの頭にキスをして手をひらひらとさせて路地を出た。

「俺達も帰ろ、」

抱きかかえると何度も、何度も小さな声でかめが俺を呼んだ

俺の名を呼ぶたびに目からぽつりぽつりとまた涙が出る

俺はかめの目尻に小さなやさしいキスを落とした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ