仁亀

□来訪者
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「…んで、こいつが服の中に入ってたの?」

「そのようですなぁ」

2日前から亀梨を困らせていたのは小さな来訪者。

つまり、リスだ

「あとお前な」

「ごめんなさい」

土下座をする俺の頭の上でカリカリとお菓子用のひまわりの種をかじるリス。

さっきからパラパラと俺の髪を伝ってひまわりの欠片が落ちてくる

「ま、よかったじゃん、霊的なものじゃなくて」

「山ぴぃが俺にあんな映画みせなかったらもっと早くに解決してたのぉー」

「ごめんなさい」

土下座仲間が増えました。

「まぁ、もういいよ、早くその子逃がしに行こうよ」

俺達は車を出して緑が豊かな場所へ移動した。

小さな来訪者がもうこんな危ないギラギラとした街へ迷いこんでこないように

リスとサヨナラをしたあとは

朝日と共に家に帰ろう

「うわぁー、太陽出る瞬間見ちゃったよ」

「さすがに明るいな」

「あと一時間で出勤…寝てない…」

ポンとぴぃが肩に手をおいた。

「まぁまぁ、それは亀梨も一緒なんだから」

結局ぴぃだけか、このあとゆっくりできんのは

「え?俺は今日オフだけど」

はっはっは、亀梨クン

ンナワケネーダロ

「だって今日はグループの撮影だぜ!?んなわけねぇーよ!」

「いや、グループと言っても一人づつだから
それに俺はドラマの撮影があったから俺だけ日付ずらしたじゃん?
ほら、仁がオフの時だったかな?」

「嘘だろ…」

「よーし!じゃあ今日は昼まで亀梨と遊ぶかなぁ!亮ちゃんも誘って?」

にまにまと笑いぴぃはかめの肩に手を回した。

「だっ!だめだだめだ!ぜぇったいダメだ!!」

「んでだよー、いいじゃん?かめも今日はオフらしいし?明日の朝までには回復するからさ」

「だーめーだー!!絶対ダメだったら!!」

「俺もその二人と遊ぶのは嫌かなぁ」

「なんでだよー、いいじゃん、損はさせないよ?」

「俺今日仕事行かねぇ!」

「は!?なんでだよ!?」

「かめと一緒にいるんだぁっー!」

「ばか!離れろ!早く仕事行って稼いでこい!」

「やぁだぁああああああああああ!!!!」

東京中にこの雄叫びが響いたかどうかはわからないが

朝から初日の出を見た俺達は今日も元気だ。
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