偽りMarionettista

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月が見えなくなり、代わりに太陽の鋭い光が辺りを照らした

チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる

そんな優雅な朝を台無しにするような叫び声が響く


「ぁあああ!!」

『なんなんだ、朝から騒がしいな』


開いたドアに靠れかかりながら叫んだ本人であるジャンに問いかけた


「フィリア、俺…見張り…」


その声に反応した全員が同じことを思ったのか、次々に言葉を口にし、顔色を悪くした


『フン、そんなことか
俺が一晩中していたんだ、してなくて当たり前だろ』

「な、何で…!!」

『安心しろ、俺が独自で判断したことだ。
別にお前等が悪い訳じゃない』

「…ローテーションでするって決まっていたじゃないか」


ジャンの質問に答えていると横からベルナルドが違う質問を挟む

相変わらずこういうことには真面目な奴だな


『脱獄して相当神経使ってるだろ、全員。
俺は無理をさせたくなかったんだ』

「だが…」

「…フィリアもそれは同じだろ?
俺達のために動いて、その隈も疲れてる証拠だぜ?」

『俺は脱獄後のサポートを命令されてここに居るんだ。
お前等を優先に考えるのは当たり前。
無事に本部まで届けるのが仕事なんだよ。』

「っ、けど!」

『細かいことはそう、気にすんな。』


ニコッと笑ってそう言ってやると何か言いたそうだったが分かってはくれた


「だが、今日は休め。
分かったか?」


有無を言わせないような瞳でルキーノに見つめられ渋々頷いた

「イイコだ」と少し笑われクシャリと頭を撫でられた

子ども扱いすんな

ビシッと手を払いのけた
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