偽りMarionettista

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仕事に一段落が付き、休憩がてらにラウンジを訪れる

ドアを開けるとコーヒー独特の香りがした

どうやら先客がいるようで

ソファに座り、コーヒー片手に新聞を見ているベルナルド

何時もの柔らかい表情は消え、険しい顔をしていた

…何かあったのか?


『ベルナルド、何かあったのか?
顔が険しくなってるぞ?』

「お疲れ、フィリア
少し、ね
部下から聞いた話なんだけど…」


テーブルに新聞を置き、手招きをされる

素直にベルナルドの元へ近づき、隣に座るとふぅ…とため息を吐き、口を開いた


「mortedeaが現れたらしい」

『!!…へぇ』


まさか、もうばれるだなんてな…

まぁ、組織に大きく関わることだ

ばれない方がおかしいんだが


「カタギの方々も意識が薄くなってきた頃なんだが…
まいったな…」


此奴も…噂を信じてるんだよな……


「おとなしくなったと思ったんだがな…」

『どんな奴なんだ?名前だけしか聞いたことないんだ』

「!!知らないのか?!
…ンン…、そうだな……
実際、俺も見たことはないんだけどね
噂では残虐精神の持ち主で、誰でも出会うと殺してしまう殺人鬼。とか
仲には、犯罪者だけを殺す正義っていう人も居る
まぁ、大方いい噂はないんだ」

『そう…か』


酷いでたらめだな

殺しは好きだが、誰でも殺すわけではない

大方、お偉いさん方からの依頼でだし

遊ぶのは組に有害な奴等だけだ

後は、裏切者の始末

……まぁ、どんな噂つけられようが構やしない

俺の仕事に支障が出なけりゃ、な


『っと、俺はもう戻るな』

「カポ代理は忙しいな」

『ハッ、これ位何ともないさ』


さて、『表』のMarionettistaとして仕事を再開しますかね

ウィッグの赤髪をふわりと揺らし、仕事部屋に戻った
 

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