沖田総悟

□月灯り
1ページ/3ページ

.





名無しさんを見ていると 何故か昔の自分と重なって見えた

だから このまま放って置くことが出来なかった


「・・・だから!・・私は、絶対に復讐する。両親を殺した、村の平和を奪った、アイツらに・・・・・・!!!!!」


怒りの篭っている目

憎しみ

悲しみ

孤独


「・・・これから、こいつの世話はわっちがする」


自分でも 驚いた


「そんな・・・きっと、迷惑かけちゃいます」





「じゃあ、わっちの他に 誰がぬしの世話をすると言うのじゃ」


「・・・・・・それは・・・」


言葉に詰まる名無しさん
遠慮などしなくても良いのに・・・


「・・・決まりじゃな。名無しさん。わっちに着いて来なんし」


そっけなく言い放つと 先に部屋を後にして
外の空気を吸った

・・・今日も吉原は平和じゃ

いつまで続くのかすら分からない幸せを見渡す

すると 口を開けて街を眺める名無しさんが見えた
声をかけようと近くへ寄る


「・・・・・・」


ーー 名無しさんの目は 吉原の天井から差す光を帯びて 輝いていた


「何ボケっとつっ立っておるんじゃ。これからぬしは、この吉原の光景を 嫌と言うほど見ることになるぞ」


ぶっきらぼうに言うと 背を向け 先を歩く

ーー もしかしたら
この子は 普通では無いのかもしれない
さっき感じた
あの目、吉原を眺める目、何か、違う気がした



「・・・・・・はい!」



ーー ぬしは、わっちが護らなければ。ーー

そう 感じた





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ