沖田総悟

□月灯り
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「え?それってどういう・・・?」


「しばらくは泊まって行きなさい。
どうせ行く宛も無いんじゃろ?」


「はい・・・ありがとうございます」




よく分かんないけど・・・
いつかは弟子にしてくれる、ってことかな?




「さてと・・・お嬢さん、名前は?」


「名無しさん、です」


「よし、名無しさんちゃん。とりあえず飯作って」




私は 無言でおじいさんを蹴り飛ばした

このクソジジィ・・・!
まさか私に家事しろって言うの?!
あり得ない・・・最低・・・




「ま、まあまあ・・・ワシも歳なんじゃ・・・この老いぼれの世話をしとくれ・・・」



弟子にしてくれるなら、という約束で
おじいさんの世話をすることになった




ーーー 遂に 私はおじいさんの弟子になり

毎日厳しい訓練の日々・・・

訓練の間 私は成長して
髪の毛は腰まで伸びた

そして 3年 経とうとしていた ある日





「・・・名無しさんちゃん、お前さん この3年で だいぶ変わったのう・・・」


「・・・どれもこれも、師匠のおかげです。ありがとうございます」


「どうやら お前さんは読み込みが早い。
これからももっと成長して行くだろう。
・・・だが、ワシが教えられるのはここまでじゃ。」





突然だった
どういう事ですか?と聞くと
おじいさんは 床に座り込んだ





「旅に出なさい。歌舞伎町を目指すんじゃ。そこで暮らしなさい。これからは、お前さん一人で修行するんじゃ。」




修行の旅・・・

私は 決めた
歌舞伎町を目指す。
そこに一体何が待っているかは 分からない
でも、アイツらに、春雨に、復讐出来るなら。

なんだって する・・・




次の日、私は旅の支度をして
家を出ようとしていた




「師匠。本当に、ありがとうございました。」



深々と頭を下げる
優しく微笑む師匠ーーー・・・



「いいんじゃよ。何のこれしき」








家に背を向けて歩き出そうとした時だった



師匠が、一点を見つめて
真剣な顔をしていた


私も同じ方を向く


そこには 左目を包帯で隠した男が立っていた




「・・・よォ、まだ死んでなかったんだなクソジジィ。なんてったってこんなボロ屋敷に住んでんだァ?・・・ククッ・・・」




ーーー この距離でも分かる

この人・・・何かがやばい・・・・・・




「・・・・・・バカ息子が・・」



え?息子?
この厨二病感溢れた感じのこの人が?
え、全然繋がらない・・・じゃなくて!

どういう状況なの・・・?これ・・・



「・・・そいつァ、俺が貰ってもいいか」



私に視線を送られる
どういうこと・・・?



「・・・・・・・・・好きにしろ」



え、え、え、ええぇええええ?!?!
そこは守ろうよ?!いくら師匠でも斬るよ?!必殺技出しちゃうよ?!



「晋助・・・どういうつもりでござるか」


「お前は黙ってろ・・・」



パチン、と 音がして 私は意識を手放した





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