沖田総悟

□月灯り
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「・・・ん・・・」



昨日 夜更かしをしたせいで
起きたのは真昼だった


寝癖はヤバイし 布団もぐちゃぐちゃ・・・
寝癖を直しながら
ほんとに女の子らしくないな、とつくづく思った



「お目覚めでござるか?」



突然の声にびっくりして振り返ると
サングラスをかけた男が立っていた



「はい・・・」


「・・・何故 晋助が主をここへ連れて来られたのかは知らぬが・・・

ここに来たからには、分からぬ事はここの者に聞くでござるよ」



なんだか優しそうな人だなあ・・・
はい、と微笑むと 部屋を出ていった


私、これからどうなるんだろう・・・




「名無しさん〜!名無しさん、こっちに来るっスよ!」



遠くからまた子ちゃんの声がして
急いで向かった



「どしたの?」


「外に出てもいいっすよ〜!」


「・・・は?どういうこと?」




突然すぎて口をぽかんと開けた
あまりにも嬉しそうなまた子ちゃんに、
ここから逃げてもよい というのではない事を察した



「久々に皆で江戸に買い物に行きたいっス!名無しさんもついて来るっスよっ」


「・・・駄目だ。幕府の犬にでも見つかったら面倒だろォが。」



また子ちゃんのテンションはガタ落ち
原因は・・・やっぱり 高杉晋助

あんなに嬉しそうだったのに、
また子ちゃんが可哀想・・・



「なんなの、それ酷い。

あんまり目立た無ければいいんでしょ?

また子ちゃんもすごく楽しみにしてたのに。

それに、あなたが居るから大丈夫でしょう?」




・・・・・・・・・え?





自分の口を自分の手で塞いだ

私、今・・・最悪だ。
よりにもよってこいつの事を。
こいつだけは頼らないって決めたのに、
うあぁああぁああ・・・・・・

一気に顔が青ざめていったのが分かる



高杉晋助はそんな私を見て フッ、と微笑んだ




「・・・そうだなァ・・・久々に、少し江戸に散歩でも行くかァ?」


「ほんとっっ?!?!?!?!」




目を輝かせながら高杉晋助の顔を見る

・・・あ、また・・・・・・
今日はツイてない。

けど、大喜びするまた子ちゃんを見て
思わず笑みが溢れた




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