とらいあんぐる

□夏のせいだ
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私は今、どうなったのでしょう




なぜ、阿部の腕の中にいるのでしょう









ーーー5分前



「ん?みょうじなんか顔色悪いぞ?」

『ふぇ?』




栄口と話していた巣山にそう言われる



「ほんとだね、気分悪い?」



栄口が顔を覗きこむ




『んー、なんか朝からダルくってさー』

「保健室行く?」

『いや、大丈夫だよ』

「でも、熱あったら困るから行っておいでよ」

「そうだな、1時間寝させてもらえよ」

『分かった、行ってくるね』



そう言って席を立って先生に言っといてと言いながら教室を出た






確かにフラフラする…


夏バテ?




階段を降りていると、下から登ってきたのは



阿部だった




「おーす、みょうじ」


『あ、お、おはっ(ズルッ 
へっ?』


どうやら足を滑らせたらしくて


気づいた時には


あべの腕の中、という訳だ。







「ったく、何してんだよ」

『あ、ご、ごめんっ!ありがとう』

「おー
てかお前どこ行くんだよ、もう授業始まんぞ」

『え、あ、保健室に』

「?ふーん」



ピタ



阿部は自分の手のひらを私のおでこに当てていた



「熱は無いっぽいけど、まぁちゃんと寝ろよ
って、なんか顔赤いな、大丈夫か?」

『だっだだ大丈夫!じゃ!』






慌てて逃げるように走って、保健室の前まで来た





頭がショートしそうだった




手の感触がまだおでこにある




そっと自分のおでこに手を当てる。





『熱い…』





手が熱いのか、おでこが熱いのか、
体調不良のせいなのか、阿部のせいなのか、











多分、きっと、阿部のせい
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