とらいあんぐる
□とどかない
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『どうしよ二人共!
先輩に呼び出された!!』
そんなことをなまえが言ったのは2時間目の後の休み時間
教室で、なまえと巣山と話してたら
知らない男の先輩になまえが呼ばれた
何やらなまえは困っているようだった
だからちょっとイライラしながら見てた
そしたら案の定、
『どうしよ二人共!
先輩に呼び出された!!』
「…え、いつ?」
『今日の昼休み、屋上…』
「告白かー?」
巣山がケラケラっと笑っている
まあ、確かにどう考えても
100%告白だろう
確かになまえは可愛い
実はクラスの奴らが何度か
"1番可愛いのはみょうじさんだろ"
とか
"みょうじって彼氏いんのかな?狙いたいわーマジ"
とか、そんなことを言っていたのを聞いた
その時はまだ、
アイツってモテるのか
ぐらいにしか考えてなかった
今は、
ただただ苛つく
軽い気持ちでなまえに近づくな、言ってやりたい
「行くの?」
気がつけば、そう聞いていた
『え?行くわけ無いじゃんー!』
なまえはヘラっと笑っていた
ホッとした
心底、安心した
行かない理由は聞かない
きっと阿部がいるからだろ?
俺は、関係ない
俺はなまえには届かない