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□本当の倖せ
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ー四年前ー
朔夜、狂。
もっと一緒に過ごしたかった。
命令になんて従わずに。
のんびりと何にも囚われずに
もう人を殺めずに暮らせると思ってた。
けど、所詮夢にしか過ぎない。
そう思わされた。
友達一人を護りきれず、友達一人を殺しかけるなんて、私、どうかしてる。
ううん・・・『紅十字』の四守護士(レッドクロス・ナイツ)として作られた時点で私なんて無意味な存在なの。
だから、せめてみんなが倖(しあわ)せになる様に、当代の紅の王や他の人々の命を奪った償いとして。
「生きてください、朔夜のお兄さん」
望「いいのか?私を逃がしてしまったら君はこれから反逆者になるかもしれない」
「いいんです。貴方はまだ生きるべき人間ですから、その子の為にも。もう私は人をむやみやたらに殺めたくないんです」
望「済まない。助かる」
先代の計画を少しずつ壊す。
そして、出来るだけ多くの人を助けたい。
例え死ぬ事になったとしても。
ゆや「お姉さんは薬屋なの?」
「うん、沢山の人を救える薬屋さんになる事が夢なんだ」
ゆや「そっか、頑張ってね!」
「・・・うん、ありがとう」
望「ゆや、そろそろ行こう」
ゆや「うん!お姉ちゃんバイバイ」
夢、か。
本当の夢は少し前に崩れちゃったのにね。
なんで薬屋なんていっちゃったんだろう。