story of 《L》
□子供ですね
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ピンポーン…
ワタリがいないと言うのは
こうも気だるい
このインターフォンの主には
帰ってもらおう
「おい竜崎、出なくていいのか?」
隣でカタカタとタイピングをして、パソコンとにらめっこをしているライトくんがポツリと言った
「私はここに誰かを招待した覚えはないので。勧誘か何かじゃないですか?」
「もしかしたらっていうのがあるだろ」
「もしかしたら?…それは考えてませんでした。何しろ私には友達がライトくんとミサミサしか居ませんので」
あァ言えばこう言う。ライトくんは僕が代わりに行けばいいんだろ、まったくと、文句を言いながら玄関へと向かった
「頼んでいませんが。」
「おい竜崎、やっぱりお前の客じゃないか」
「は?」
ライトくんの後ろからひょっこり出てきた者は、ミサミサほど綺麗では無かったが、どちらかというと可愛い分類に入りそうな1人の女の子だった
「L、覚えてる?」
「…はぁ、思い出しました。そのアホみたいなバッグで」
「ええっ!?」
イギリスにいた頃
仲良くしていた友達、名無しさんでした。
「何年ぶりでしょう」
「どういうことだ?」
「あぁ、ライトくん。こちらは私がイギリスにいた頃の友達の名無しさんです」
「やっぱり友達いたんじゃないか…」
「ど、どうも。私名無しさんと、言います。」
変わらない
あの貧相な胸も、背も
「どうして日本に?」
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