story of 《L》

□子供ですね
1ページ/4ページ



ピンポーン…



ワタリがいないと言うのは
こうも気だるい


このインターフォンの主には
帰ってもらおう


「おい竜崎、出なくていいのか?」


隣でカタカタとタイピングをして、パソコンとにらめっこをしているライトくんがポツリと言った


「私はここに誰かを招待した覚えはないので。勧誘か何かじゃないですか?」

「もしかしたらっていうのがあるだろ」

「もしかしたら?…それは考えてませんでした。何しろ私には友達がライトくんとミサミサしか居ませんので」


あァ言えばこう言う。ライトくんは僕が代わりに行けばいいんだろ、まったくと、文句を言いながら玄関へと向かった


「頼んでいませんが。」




「おい竜崎、やっぱりお前の客じゃないか」

「は?」


ライトくんの後ろからひょっこり出てきた者は、ミサミサほど綺麗では無かったが、どちらかというと可愛い分類に入りそうな1人の女の子だった


「L、覚えてる?」

「…はぁ、思い出しました。そのアホみたいなバッグで」

「ええっ!?」


イギリスにいた頃
仲良くしていた友達、名無しさんでした。


「何年ぶりでしょう」

「どういうことだ?」

「あぁ、ライトくん。こちらは私がイギリスにいた頃の友達の名無しさんです」

「やっぱり友達いたんじゃないか…」

「ど、どうも。私名無しさんと、言います。」


変わらない

あの貧相な胸も、背も


「どうして日本に?」






next
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ