小説
□守ってあげる
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「あなたはいい子ですね」
そう言って俺の頭を撫でてくれるのは、夢の中だけ。
もっと温もりに触れていたい…
もっとその声が聞きたい…
もっと、もっと、もっと…
俺の前世は極悪人だったらしい。
前世の記憶ってやつ。
俺には部下がいて、敵がいて、かつての仲間がいてー敵になってしまったがー守るべき何かが確かにあって…。
でも、守るべきものは奪われた。
何もかも、全て。
前世の俺は、そのせいで狂ってしまったんだと思う。
悲しくて、辛くて、憎くて…。
「先生、アンタだけが俺の光だったんだぜ…?あんたが光をくれたんだぜ…?生きてたって、アンタがいなけりゃ楽しくねぇよ…」
ーなぁ、銀時ー
神様は意地悪だ。
俺と敵対してたヤツとまた会わせるなんて。