小説

□守ってあげる
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「…は?」

余裕ぶっていた顔が引き攣る。

嗚呼、楽しすぎる。

「松陽先生…吉田松陽。アンタの恩師といったところですよね」

「何言ってんだよ…」

「寝言でいってやしたよ、譫言のように」

「…お前も、あるのかよ」

「無かったら吉田松陽なんて知りやせん」

「だよな…」

顔を青くして俺から離れる。

ありゃ、やり過ぎた。

別に高杉に敵意抱いてる訳じゃねーのにな。

「知ってると思いやすが、俺は真選組だったんでさぁ」

知ってるよ、そんな事と言いたげな目で睨まれる。

しかし、俺に対する恐怖も伝わってくる。

「別に今の時代でアンタに何かしようとか思ってねーですよ?」

「でも…」

俺が語りかけても警戒は解けないらしい。

けど俺はこの人に興味を持ってしまった。

(昔の事なんて関係無いのに…)

弱々しく見えてしまった。

「寂しくならねーように、俺がそばにいやすよ」

「おき…た?」

少し震えた声。

まだ怖いのか…。

不安に震えるその体を俺は優しく包み込んだ。

「守ってあげやすよ…その人の代わりに」

「……!」

抵抗はされなかった。

でも…


なつくまでは時間がかかりそうだと思った。

(アイツらには絶対渡さねー。俺が調教してやる)

そして何かに目覚めた。



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