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□私の恋愛白書 3
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「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。」




あー、、、なんてことだ。
新学期から、こんなことって、、。





ことの発端は、
数分前にさかのぼる。






私の恋愛白書 3








ドS毒舌王子こと、
(ドSと毒舌は私に限定だが。)
私の兄、結城桐斗。
桐斗兄が私のことを送ってくれると言うので
今回はお言葉に甘えて送ってもらうこととなり、
現在、一緒に登校中である。
隣を見ると、桐斗兄がいる。
横目でまじまじとみると、
きりっとした目、整った顔
黒髪の短髪。
我が兄ながら、やっぱり、
世間的に言うイケメンだなと
痛感する。
弟の健斗も、桐斗兄とは
また違ったジャンルではあるが
世間的に言うモテる系男子であるのには
間違いない。
というか、健斗の場合は
間違いなくモテると思う。
年下のくせに気が利くし、
私よりしっかりしている弟。
なのに、私がからかえば
頬を染めて怒るのだ。
あぁ、可愛い。萌える。私の天使だ。
からの、私ときたら、
告白というものも、されたことがない。
なのに、友人からは
香奈モテるから羨ましいと言われる。
ほんとに、まって。友人よ、、、
彼氏いない歴、イコール年齢だぞ、、。
つらすぎて、机につっぷしてたら、
木吉に笑われたっけ。



「おい、香奈聞いてんのか。」



桐斗兄の声にハッとなる。


「あ、ごめん、聞いてる!!」

即座にそう答えれば、
呆れ顔をされて、
聞いてねーだろと、デコピンされた。
あぁ、地味に痛い。


誠凛まで、私の家から
だいたい40分くらいである。
電車で30分。
そこから歩いて10分といったとこだ。
桐斗兄と共に電車に乗り込む。
朝はいつも通勤ラッシュで
込み込みの車内。


「香奈、これ、
いつも乗ってんのか?」


眉間に皺を寄せながら
桐斗兄が、こちらに聞いてきた。


「そーだよ、、。
もう、桐斗兄、眉間に皺よってる。」

ちょいちょいと袖を引っ張ると
桐斗兄にぐいっと掴まれて
車内の端の方に追いやられる。


「え?ちょっ、ちょっと。」


一気に桐斗兄と距離が縮まり
いきなりすぎて息がつまる。
上を向き、桐斗兄の顔を見ると
険しい表情をして、私の顔のそばに
両手をついている。
ちょ、ちょ、
今流行りの壁ドンってやつですか!!
実の兄にやられている
私はなんなんだろうか。
ぐるぐると危険な考えを、1人、していると、
ふと、私と兄の間にだけ
少しだけスペースがあることに気付いた。
そこでやっと、兄が
わざわざ私を引っ張って
端においやった理由がわかって
顔が知らぬうちに緩んだ。

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