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□私の恋愛白書 4
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「ねえ!!ちょっと香奈。
お兄ちゃんがいたなんて聞いてないし。
それに、お兄ちゃんが、あの、
結城桐斗さんなんて!!
あんた、早くいいなさいよねー。」



興奮気味のリコに、
朝から疲れ切っている私と
何が何だか分からないという顔をして
私達をみる日向。







私の恋愛白書 4





朝から本当に大変だった。
我が兄ながら、謎の人気。
みんな、兄の容姿とあの笑顔に
騙されているだけだ。
目を覚ましてほしい。



「監督、朝から
すごいテンションたかいけど。
なんかあったのか。」



「あったもなにも、
ありまくりよ!!!日向君。」


リコはいまだに、興奮が治まらないのか
ものすごく元気である。



「んで、それにくらべ、結城。
お前、何なの?生きてんの?
すっごい、疲れてないか?」



日向の視線が私へと変わり
私の疲れようをみてそう言った。


「生きてません。
先ほどダメージをくらいました。」


机に突っ伏しながらそう答えた。

「あぁ、大丈夫そうだな。」


「うわあぁぁぁぁぁ。
日向ぁぁぁぁぁぁぁぁ。
日向が冷たい。」

日向のあまりにドライな対応に
思わず叫ぶ私。
そんなことは御構い無しに
リコが口を挟んだ。


「日向君、大学生版の月バスとか
みてる?」


「あぁ。みてる。
というか、今、持ってる。」


そう言ってガサゴソと
カバンから雑誌を取り出して
机に置いた。
その雑誌の表紙を飾っていたのは
洛山とローマ字で書かれた
ユニフォームを身に纏い、
真剣な表情でシュートフォームをしている
桐斗兄の姿だった。



「あー、なにこれ!
桐斗さん、超かっこいい!!」


リコが雑誌に食い付き、
パラパラと中身を物色しているのが
目に入る。
た、確かに、表紙を飾っている
桐斗兄はカッコよかった。


「日向くん、
今度ね、桐斗さんにバスケ
見てもらうから。よろしくー。」


にこにことそう話すリコに
は?となる私と日向。


「連絡先交換してもらっちゃった。
てへっ。」


さすが!リコ。
いつ連絡先なんか交換してたのよ。
まったく気付かなかった。


「え、監督、なんで
洛山大学の結城桐斗の
連絡先なんか知ってんだよ?」


「日向くん、あのね、
その、結城桐斗さん
なんと、香奈のお兄ちゃんでしたー!!」


「え、、、嘘だろ?
ってゆうか、結城
兄貴いると言ってなかっただろ?」





リコの言葉に
リコとまったく同じ反応をする
日向。
もう、お前ら結婚しろ。

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