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□番外編 モブB君の考察
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こんにちわ。
僕は結城香奈さんと
同じクラスの者です。
え?名前ですか?
では、Bとでも名乗っておきます。



結城香奈さんは、
明るく優しい性格で1年生の頃から
彼女は目立っていました。
容姿端麗、頭もいい、
運動神経も良い、
周りには笑顔が溢れる。
そんな彼女を男子勢がほっとくわけもなくて、
彼女に想いを寄せる男子は
山のようにいました。


え?告白ですか?
確かに、彼女に想いを寄せる男子は
山のようにいましたが、
誰一人として告白が成功した人は
いませんよ。
付き合うとか、付き合わないとかの
問題ではなくて、
彼女に想いさえ伝えられないのですよ。
彼女には、番犬と言う名の、
セコムがたくさんいるのですから。
チア部?あぁ、そうですね。
彼女の所属しているチア部も、
かなり手強いですが、
1番手強いのは、バスケ部。
彼等はいい例です。


その中でも、、
木吉鉄平。
彼はまさに、セコムです。
今、現在、膝の怪我で
入院しながらリハビリを
しているようですが、
週に2、3回は、結城さん
お見舞いに行ってるみたいです。
木吉が怪我をする前の
お話をしましょうか。





番外編 モブB君の考察




1年前。
結城さんと木吉は、
同じクラスでした。
バスケ部が練習している隣で
チア部も部活を行っているため
木吉と結城さんが
仲良くなるのには、
時間はかかりませんでした。



「おはよー香奈。
今日、朝練やすみだったんだなー。
ゆっくり寝れたか?」



「おはよー、木吉!!
うん、いつもより寝れたー。
今日もモニコありがとう。
二度寝してたから、危なかった。」



ふわぁぁぁとあくびをする
結城さん。
それをにこにこしながら
頭を撫でる木吉。
バックを床において、結城さんの
前の席に座り、話し続ける木吉。
もちろん、結城さんの
前の席は木吉の席じゃないのだけれども、
毎度のことだ。
あぁ、木吉がその席に座るから
どうしようかと戸惑っていれば
それに気付いた結城さんが、
木吉の袖を引っ張る。
こちらに向かって笑顔を
向けてくる彼女を
みるだけで、免疫のない僕は
体温が上がるのを感じた。





「おはよー。
木吉!!退いてあげて!!
ごめんね、今退かせるね。」


「あ、おはよう。
結城さん。
大丈夫だよ。」


緊張しながらも、
言葉を発する。
申し訳なさそうに
眉を下げる結城さんをみて、
思わず見つめてつまえば、
その横で面白くなさそうな顔をする木吉。
僕と結城さんが
話している間に割り込んできた。



「ごめんなー。いま退かす。
んじゃ、香奈の膝の上に
のろうかな。」


木吉の発言に驚愕する。
いやいや、身長もガタイもいい
木吉が、結城さんの
膝の上にのってみろ。
そんなの、彼女が潰れるだろ。
何を言ってるんだこの男。



「えー、いいよー。」


え、、結城さん、
何言ってんの?
任せろという表情をする結城さんだったけど、
膝の上にのせたら、あなた、潰れる。
結城さんと木吉の会話に
さすがに焦って口を挟もうとした。



「冗談にきまってるだろ。
香奈は、ここな。」



次の瞬間、
木吉は、軽々と結城さんを
持ち上げたかとおもえば、
自分はサッと結城さんの椅子に座り、
自分の膝の上に彼女をのせた。



「ちょ、ちょ、木吉!!
え、あの!この、教室だし、
さすがにこの体勢恥ずかしい。」


バタバタと結城さんが
木吉の腕の中で暴れている。
小動物みたいで可愛いなぁ。
周りを見れば、思っていることは
皆同じらしく、
木吉と、結城さんに視線が
注がれていた。



「はははは。
何焦ってるんだ?
いつもこれやってるだろ?」



え?いつも?!
木吉の発言にクラス全員が目を見張った。
いつもってどういうことなのだろうか。
というか、結城さんを
膝の上に乗せている木吉、
そのポジションを変われと
何人もの人が思ってるに違いない。


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