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□何様、俺様、赤司様。
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「あーかーしーくーん。」


「、、、。」


「赤司さーん。」


「、、、、。」


「赤司さまー。」


「征ちゃん、反応してあげて。
なんか、、哀れに見えるわ。」


「うぁぁぁぁぁぁ。
レオちゃん先輩、ひどすぎるぅぅ。」





みなさんこんにちわ。
洛山高校、バスケ部。
唯一のマネージャー、
結城香奈です。
ちなみに、赤司くんと同学年で、
同じクラスです。
ん?バスケ部のマネージャーに
なったキッカケ?
こんな言葉がキッカケ。



「結城さん。
君にバスケ部のマネージャーを
お願いしたいんだ。」


え?誰に言われたかって?
もちろん、赤司くん。
最初はびっくりした。
だって、同学年で、
同じクラスとはいえ、
ほとんど関わりなかったし、
いきなり、ちょっといいかな?
と声を掛けられて、ついていけば
この言葉。
あまりにびっくりして、
絶句していると、




「結城さん、
どうだろうか?」



赤司くんに、真っ直ぐと
こちらを見つめられて、
ビクリの身体が反応するも、
口を開いた。



「いや、その、
お、お断りします。
私、バスケのこと全然
分からないし、詳しくないので、
それに、マネージャー業なんか
やったことがなくて、
それに、赤司くんとも、
そんな話したことない、、ですし。」


言葉を必死で並べたてて、
ごめんなさいと謝ろうとしたのだが、
いきなり赤司くんの顔がこちらに
近づいて来て、
咄嗟に眼をギュと瞑った。



「結城さん。
小太郎のこと、好きだろう。
あぁ、小太郎じゃわからないかな?
葉山小太郎。
彼、うちのバスケ部員なんだ。
君にとって、悪い話じゃないと
思うんだけど。」



耳元でそう呟かれて
ぎょっとして赤司くんの
顔を凝視した。


「な、な、な、
なんでそれを知ってるんですか!?
というか、葉山先輩、
この学校にいるんですか?!」


言葉をまくしたてれば、
クスリと笑われた。



「君は実に分かりやすい。
まぁ、小太郎の件に関しては
鎌かけただけだったんだけど。
君、バスケ知らないとか、
マネージャー業やったことが
ないと言ったけど。
それ、嘘だろう?
小太郎から君の話聞いてるよ。
中学の時、臨時で
よく手伝ってくれていたって。
どうだろうか?
マネージャー、、
やってくれるだろう?」


だ、騙された。
葉山先輩とは、同じ中学で、
合宿とか、人が足りなくなった時だけ
臨時でお手伝いをしていた。
口調こそ、にこやかだけど、
有無を言わさない威圧感。
私の選択肢に、NOという文字は
最初から存在していなかったのだ。







何様、俺様、赤司様!!






そんなこんなで、
マネージャーに就任し、
半月が流れた。
入部して、マネージャーが
私しか存在していないことを知り
絶句したが、
愛しの葉山先輩に、
「香奈。
マネージャーやってくれんの?
俺、めちゃくちゃ嬉しい!!
これから、よろしくな!!」
と笑顔で言われてしまったもんだから、
腹をくくった。
だって、あんな笑顔向けられたら
「ごめんなさい。出来ません。」
なんて言えない。
ドリンクを作りながら
体育館のコートで
プレーしている葉山先輩を盗み見る。
丁度、得意のドリブルで
相手を交わし、シュートを決めた。
ニコニコしながら、
レオちゃんとハイタッチする
葉山先輩。


「葉山先輩、、、。
かっこいい、、。」



「香奈、ボトルから水
溢れているぞ。」


「あ、赤司くん!!
わぁぁぁぁあ、やばい!!」


赤司くんの一言に
急いで水を止めて、
ドリンクをのんでみるが、
水のいれすぎで、だいぶ
味が薄くなっていて、不味かった。



「小太郎を見るのはいいけど、
自分の手元も見ることだね。」


「りょーかいしました。
赤司大佐。」


赤司くんに向かって敬礼して、
そそくさと目線を葉山先輩に戻せば、
無言で私の手元から
水で薄まった不味いドリンクの
入ったボトルを奪い、
それを私の口元に
押し付けて飲ませようとした。



「な、な、な、
何すんの!?赤司くん!!
え、まじごめん、なんか、
ごめん。
赤司さま!ごっほ。ごほ。
うぐっ。マジ勘弁して。
むせる。つーか、むせてる。」


無理やり、赤司くんが
失敗したドリンクを
飲ませてこようとするもんだから、
バタバタと暴れたら
ドリンクが気管に入ってむせた。



「あぁ、悪い。
なんか、ムカついたからやった。
他に特に理由はない。」


スッキリした顔でそう言われ、
思わずポカーンとなった。
え?ムカついたって何?
私の顔に?
赤司くんが、颯爽と
私の前を通り過ぎ、
体育館の中にはいって
行こうとしたので、
私は腹いせにバッと、
赤司くんの背中めがけて
飛び乗った。


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