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□続 秀徳レンジャー yellow
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「なー、、木村ー、、。
あいつ、、ほんと、可愛いよな。」


「はぁ?あいつって誰だよ。
あぁ、宮地の好きな
アイドルのみゆみゆ?」



「あー、
みゆみゆが可愛いのは
当たり前なんだけどよ。
そーじゃなくて、結城。」


カゴいっぱいにはいった
洗濯物をグラグラさせながら
歩いているマネージャー。
それを慌てて、助けている高尾。
結城が
フワリと高尾に向かって
笑っているのを見て舌打ちする。








続 秀徳レンジャー yellow





「宮地さー、
それ、本人にもそーいってやれよ。」


「あぁ?言えるわけねぇだろ。
あーくそ。なんなの?あいつ。
ほんと、無理だわ。
この前さー、あいつ、
ロッカーの上にあったタオル
取ろうとしててさ、
あんなチビなくせして、
ぴょんぴょんジャンプして
とろうとしてんの。
萌えすぎて、言葉が出なかった。」


「あー、はいはい。
わかった、わかった。」


木村が呆れ顔で頷いた。
結城香奈。
秀徳高校3年で、
俺達、バスケ部のマネージャーだ。
3年間俺達を近くで支えてくれた結城。
そんで、俺の片思いも3年目に
突入したわけだ。
ぱたぱたと忙しそうに走る結城。



「香奈ちゃん先輩、
今日も可愛いなぁ。」


「おい、何にやけながら、
香奈さんのことみてるのだよ。高尾。」


高尾と緑間の1年コンビが、
結城を見ながら話しているのが
耳に入る。


「とか言いつつも、真ちゃんだって
香奈ちゃん先輩のこと見てるくせに。
俺知ってんだぜ。
真ちゃん、目で香奈ちゃん先輩のこと
追ってるって。」


「お前も、人のこと言えんだろう。
さっきも、香奈さんのこと
助けていたろう。
反応がはやすぎなのだよ。」


高尾と緑間が結城に
懐いているのは知っていたが、
まさかだった。
俺のがこいつらの何倍も
結城のことを見てきたし
想ってきた。
だんだんイライラしてきて、
しばいてやろうかと
1年コンビに近づこうとしたが、
高尾の一言で俺の足が止まった。


「真ちゃん知ってた?
香奈ちゃん先輩ってさ、
モテるんだぜ?
この前、裏庭でサッカー部の安藤先輩に
告られてた。」


サッカー部の安藤って、
女子に人気の野郎じゃねぇか。
つーか、安藤が女子に告って振られたって
噂があったが、その振られた相手って
結城かよ。


「おい、宮地。
演劇の練習するって。
ボールおいてこいよ。」


木村の声に
ハッと我にかえり、
ボールを置きにボール籠に近付けば、
丁度部室から結城が出てきて
鉢合わせした。



「文化祭の演劇の練習するってよ。」



「あ、オッケー。
ついに、明日だね。文化祭。
宮地、ちゃんと台本覚えた?」


「あぁ、当たり前だろ。
結城こそ、間違えんじゃねぇぞ。
昨日、セリフ噛んでたし。」


「あれは、宮地がアドリブを
いれたからでしょー?!」


頬を膨らます彼女さえ、
可愛いと思ってしまっている俺は
だいぶ重症なんだと思う。

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