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□私の恋愛白書 3
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「おい、何にやけてんだよ。」


桐斗兄に指摘されたが、
私の顔の緩みは治まらなかった。


「桐斗兄、今日すごく優しいね。
桐斗兄のそーゆーとこ、好き。」


にこにこしながらそう言えば、
なぜか桐斗兄に睨まれた。


「お、お前さ、こんなとこで、
こんな距離で好きとか言ってんじゃねえよ。」


まぁ、確かに桐斗兄と私の今の距離は
だいぶ近い訳で、だけど、なんで
睨まれてるんだろうか。
ん、、、、?
なんか、桐斗兄、若干顔が紅いような。


「桐斗兄、、、照れてるの?」


私がそう口にした瞬間
桐斗兄にそっぽを向かれたので
図星だったようだ。
兄が照れるところなんか、
数える程しか見たことがなかった手前、
私の好きって言葉で、
ドS毒舌王子が照れるのだと
心の中でガッツポーズを決めてると、
兄の顔がいきなり、近づいてきて、
何事かと身構えると、


「俺の方が、香奈の思ってるより、
香奈のこと大事に思ってるし、
好きだけど。」


と言われ、意味を理解した頃には
自分の顔に熱を感じた。


「ほら、降りんぞ。」


兄に手をひかれ、駅におりたものの、
熱は全然引いてくれなくて
そっと、両手を頬に持って行った。



「顔真っ赤。林檎みたいだな。」


桐斗兄が私の顔を見ながら
しみじみいうものだから
横を向こうとすると
ほっぺを両手で捕まれ




「俺をからかおうなんざ、
100年早いんだよ。
香奈のその表情もっとやって
やりたくなるってゆうか、、。
あ、あと、泣き顔。
もっと泣かせたくなるよな。」






はい、やっぱり桐斗兄は、桐斗兄でした。
ってゆうか、何?怖すぎなんですけど。
隣を見れば上機嫌な兄の姿。



誠凛の校舎の入り口がやっと見えて、
桐斗兄から荷物を受け取る。


「桐斗兄、ありがとう。」


「おう。あとで、肩もみな。」


「えー、、やだ。」



そういった瞬間、
ぐいっといつものように
ほっぺをつままれる。


「か、た、も、み。」


「ふぁい。お兄様。」


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