総受け

□4 入学式
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目覚ましはかけたハズだ。実家から10個ほど拝借したハズなのに。


「……うるせぇよ!」


なぜ、神崎に起こされているのか。





「……おはよー神崎」

ふぁーっと伸びをすると神崎はハァ…と溜め息をついた。

「幸せ逃げちゃうよー」
「お前のせいでな!!」

なんかもう、自暴自棄になってるし。

「もう、目覚ましはヤメろ!俺が起こす!」

7時な!と言って出て行った神崎。何なんだ。





真新しい制服に身を包んで鏡を見た。

「……なんか足りない」

神崎に聞こう。





リビングに出ると、神崎がコーヒーを飲んでいた。

「神崎ー、どう?制服ー」
「……お前、ネクタイは?」

!そうだ、ネクタイだ!!!

「ありがと、神崎!!!」





「……どうやってやるんだ……」


神崎に聞こう。


「神崎ー、ネクタイ結んでー分かんなーい。中学学ランだし」

神崎は溜め息を吐きながらもやってくれた。



うーん、朝食はいいや。昨日は片付けしてたから、4時まで起きてて食欲ないし…

「行ってきまーす」

もちろん、返事はなかった。




「お、キミ昨日神崎といたヤツだ!」

隣を見ると、後ろでちょこんと髪の毛を結んだ人がいた。

「あー、1年?」
「うん、黒崎唯斗。よろしくな!」

お互い自己紹介をして一緒に校舎まで行くことにした。

「お前、細ぇな!ガリガリ!ちゃんと食ってんの?」
「意外と大食い」
「え、嘘だー!ってか、神崎をどうやって手懐けたの?」
「手懐けた、っていうか、神崎いいヤツだし」

寧ろ、俺が懐いた、みたいな?

「ふぅん。神崎って、思ってるより喧嘩なヤツだぜ?」
「喧嘩は、男には大切なことだと思う」
「ハハッお前おもしれー!」

つか、俺も喧嘩してたし。てへ!
やんちゃだったんだよ、うん。

「ま、なんかあったら言えよ?」
「あんがと」
「あ、クラス発表だ!」

クラスは、1〜7組で、成績と身分で決まるんだとか。

「あ、あった」

やっぱ、7組だよな。つか、頼んだし!

もう、黒崎ぐらいになると、見なくても分かるらしい。

「幼稚園からずっと7組だし」

可哀想になってきた。
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