総受け
□1 金なんて…
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いっやぁ、見渡す限りミドリだなぁ。うん、自然は大事だよ。葉緑体さん、いつもありがとう。光合成なんて、大変でしょうに。
……迷子カナ?
もう30分は歩いた気がする。
「あ!!!」
なんか、白い建物が見えてきたぞ!やったぁ!
待って、シャレになんない。
「これ、何階建て…?いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、ひち、はち、きゅー、10階!?」
「いや、12階建てだよ?」
「あれー?ドコで間違えたんだろうねー……って誰!?」
振り返ると、イケメンがいた。
茶色いツヤツヤの髪、高い身長、イケボ、制服さえも着こなすイケメン!
いや、絶対これは腐の塊だ!俺の勘がそう言ってる!
「おーい、大丈夫ー?」
あ、手振ってる。可愛いな、クソ。
「あーうん、大丈夫!」
そう言ってヘラッと笑った瞬間、目を見開いて固まったイケメン。
「っぷ、ハハッ」
なんか、笑われてる。
いや、うん。面白いならそれでいいんだけどね。うん。
しばらく経って、やっと笑いが収まった。
「ふぅー、笑ったー。いっやー、面白いね、キミ。俺は、一之瀬春。キミは?」
「一条デス」
「下は?」
「悠」
「じゃー、悠ちゃんね」
なんて、呼び捨てで呼ばれた俺。いや、別に気にしてないけどね。
俺は一之瀬って呼ばせて頂くよ。
「新入生でしょ?俺、幼稚園からずっとここだから!」
そう、ここは幼稚園からずっと付いているのだ。
マジ、ありえん。
「じゃ、俺行くわ。バイビー、悠!」
颯爽と、デケー建物の中に入っていった。
……さあ、俺も入ろ。