総受け

□4 入学式
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「よーし、入るぞ!」


ガラガラガラ、と思いっきり扉を開けた。
もちろん、黒崎が。

ザワザワ、と食堂の時みたいになった。

「昨日の神崎の隣にいたヤツだ」
とか
「うわっ、ガリガリ」
とか
「抱き心地悪そー」
とか
「顔は良くね?」
とか

って俺は聖徳太子か!!!


……ああ、地味に生きたいのに。
ヤンキーばっかだなこの教室!7組って時点でなんとなく分かってたよ!

ハァ…俺、平和に生きれるかな。







センセーは、梅ちゃん先生というらしい。

「一条ー」

いかにも怖そうなセンセーだ。

「聞こえてんのかー」

ゴツいしガタいし。

「一条!!!!!!」


ふらふら〜と教卓の前まで出てきた。


「なんすか」
「お前、外部から来たろ?自己紹介しろ」

あ、なるほど。
こいつらは幼稚園からずっと一緒なのか。ふむ。


「えーっと…一条 悠です。1年7組1番です。い、って早いからね。えっと、特技は寝ること、趣味は寝ることです。座右の銘は、微妙に地味で平和に生きるです。ということなので、そういうことも配慮して頂きながら1年間過ごしてくれるとうれしーです。あと、見ての通り抱き心地は悪いですので、そこんとこよろしくお願いします」


パチパチー、とかあるはずもなく席に着いた。ポカーン、と口を開けてる7組諸君たちは気にしないでおこう。

「ということだ。お前ら、泣かせんなよ」

いや、なんで。
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