風男塾

□本気で好きです。
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光黄side.



『え、今日も来てないんですか?』


「そうなんだよ。用事があるらしくてな。」


なんの用事だ?
とこじ先輩がぶつぶつ言ってるのをよそに、俺も考えていた。


最近桃先輩が部活に顔を出していない。


俺が来る前にさっさと帰っちゃうらしいんだ。


っていうか、完璧避けられてる…。


「どうした光黄。桃と何かあったのか?」


俺の表情から悟ったのか、狂平先輩が声をかけてきた。


『いや…別に…。』


「そうか。」


本当はあるんだ。


俺が桃先輩に告白した。

けど、桃先輩は何も言わず立ち去ってしまった。


俺はどうすればいいかわからなくて動けなかった。

内心、振られたんだ。
って確信していた部分もある。


だけど、こうやってあからさまに避けられるとさすがの俺でも傷つく。


『こじ先輩。俺、今日早退します。』


「は!?お前も!?」


『すいません。体調悪くて。』



俺は先輩達の横を通り部室を後にした。


そのまま家に帰り、告白したときのことを思い返す。


何が悪かったのか。


屋上に先輩を呼び出し、ドアに寄りかかる先輩に俺は告白した。


『桃先輩のことが好きだ。俺と、付き合ってください。』


何も飾らずストレートに伝えた。


桃先輩は驚いた顔をして俺を見た。


けど、先輩は何も言わずに立ち去った。


『桃先輩は、俺の事が嫌いなのかな。』


独りでいると、思考がマイナスになっていく。

あー、やめたやめた。

これ以上考えてもきっとダメになるだけだ。

明日桃先輩に話しかければいい。

そう決め、俺は眠りについた。
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