風男塾

□たまには悪くない。
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光黄side.






「光黄くーーーん。」


『うっ。ちょ、重い....折れる。』


「今なんか言うたか?」




ベッドで寝転びながら月刊ムーを熟読していた。


そんな俺の上に遠慮なく全体重をのしかけてくる涼真。


余計なことを言った俺の首をしめてくる。



『どいてー、あーつーいー。』


「いーやーやー。」



馬乗りになってゆっさゆっさ動かれる。

あぁ...苦しい...。



「なぁ、かまって。」


『今本読んでるから後でね。』


「今。」


『......。ちょ、動かないでー!』



めんどくさくなって無視したら、またゆっさゆっさ動く涼真。


仕方なく本を置いて涼真の方をみると、にっこり笑顔。



『どーしたの。』


「ん?暇やねん。」


『だから映画観に行こうって言ったじゃん。』


「ちゃーうーねーんー。」


相変わらず俺に馬乗りになったまま。


ただ、1つ変わったのはお腹の上ってこと。


『何が違うの?』


「それじゃ意味ないねん。」


『暇なんでしょ?どっか行こうよ。』



何言っても横にしか振らない首。


唇もムッとしていてなんか可愛い。



『だって俺の家じゃつまらない「ちゃうねん!光黄くんの家がいいんよ。」』


『...へ?』



途端に大きな声を出すから少し拍子抜けした声が出てしまった。


なんか恥ずかしい...。



「俺はな、光黄くんがええねん。」



『...ん、?』



涼真の言いたいことがいまいちよくわからない。


無表情で俺の手を取ると、恋人つなぎにしてからにぎにぎしてくる。


あー、可愛い...。


思わずニヤけそうになってしまった。
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