10/12の日記

21:25
乱馬の優しさと恋愛アピールの件
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乱馬が自発的に優しくない、恋愛的アピールしない件についてまとめてみた。

乱馬が優しいことは語るまでもないですが、
だからこそ「どうして○○のシーンでは優しくないんだ?」、
「好きなら○○してあげたら?」の部分に触れてみる。

<結論>

1、「困っている人には協力するけど、それ以外なら自分でがんばれ」のスタンス
2、具体的にどうしたらいいのか分からない
3、頭の中に浮かんでいても、それを実行できない
4、恋愛に対して興味関心が薄い。価値が低い
5、女の子の求めている優しさが分からない

大体こんな感じ。
5は正直まだ答えは出ていないけど。


1、「困っている人には協力するけど、それ以外なら自分でがんばれ」のスタンス

あかねにだけ優しくないのか? というと、そうでもなくて。
1をそのまま体現したシーンが、シロクロ&あかねが良牙の家に遊びに行く回にある。
家まで連れて行ってほしい(お願いはしていない)良牙に「理由を言えよ」と乱馬。

・良牙が家に帰りたがっていることを察しているが案内しない
・シロクロの肥立ちが悪いと聞くと連れて行ってくれる

「気付いているなら連れて行ってあげればいいのに…」と思いつつ、
端から拒否している訳でもなく話を聞いてくれる乱馬の反応も悪くはない。
実際、理由により道案内していたし、
わざとトボけてイジワルしている訳じゃないのは確か。
『良牙が家に帰りたがっている=連れて行く』って発想にならないのかな?

乱馬自身にイジワルな気持ちはないようだけど、
実際よりも優しくない印象を受けやすいのはここが1つ大きな原因だと思うの。
あかねは特に乱馬の事情や本音を知らないことが多いから、
余計イジワルに思えるだろうな。


2、具体的にどうしたらいいのか分からない

(チアリーディング回より)あかねが泣いて悔しがっている1ページだけでは
乱馬が何を考えているのか正直伝わらないけど、
読み進めていくと彼にも思うところがあったのだと分かる描写が出てきて
何かしてやりたいと考えつつ何もできなかったことが分かる。

彼の人生において気遣いたい人、気遣ってくれる人が皆無だったことは想像に難くないので、
例えば「慰めてあげたい」と考えたとして
具体的に何をしてあげればいいのか思いつかなくても納得。
気遣うタイプの優しさは特に苦手なんだろう。

≪ブレークタイム≫
1でちらっと書いたけど、
私は相手の望みを察したら
やってあげるか、
面倒だから気付いていないフリをしてみたけど嫌な人間だなーと自己嫌悪するかの2択なので、
“察しているのにやらないけど別に意地悪な感情はない”って不思議。
SSでは特に意識しないで自分の感覚のまま書いていたから、
私の乱馬は原作より気遣い屋さんか、鈍感で察しが悪くなっていると思う。
難しそうだけど……今後は意識して書いてみよー。
気遣いが苦手な乱馬いいよ。かわいいよ。

* * * * *

3、頭の中に浮かんでいても、それを実行できない

具体的に思いついたとして実行できないことはヤマタノオロチ編のラストに描かれている。
ので、割愛。
(あの乱馬ホントにかわいい)

ここまでで乱馬の考えや性格的に気遣う方向で優しくするのが苦手なことは書いたけど、
恋愛的アピールがほぼ皆無であることにも触れていく。


4、恋愛に対して興味関心が薄い。価値が低い

これに尽きると思う。
念のために書いておきますが、
恋愛=あかね ではないです。
デートとかキスとか好みのタイプとか憧れのシチュエーションとか
それらに対する興味が年相応のレベルに達していないと思うの。

乱馬が恋愛で自発的なエピソードはないし、
強いて挙げるならバレンタインデーで「欲しい」と言ったことぐらいじゃなかろうか。
それ以外は周囲が事を起こす流れで妬いたり興味を持ったりと受身な姿勢。
らんま1/2という作品自体、
乱馬とあかね以外のキャラクターがアイテムやトラブルを持ち込んで…って展開だし
2人とも恋愛では奥手だけど、
その中でもあかねは自ら恋占いの桜餅や手作りクッキーを持ち込んで
乱馬との仲を気にしたり、乱馬に何かしてあげようって考えから物語がスタートするエピソードがある。
それを踏まえると……
やっぱり乱馬からあかねへの恋愛アピールは皆無に等しい。

乱馬の中にあかねと○○したい/してほしい願望がないとしか思えないんだよ(これを恋愛への興味関心が薄い、恋愛の価値が低いと解釈している)。

ヤマタノオロチ編ラストの「こうしている時が 一番 しあわせ」は
乱馬の気持ちを正確に表現していたのだと思う。
それ以上でもそれ以下でもなく、
特別なことはない現状に満足しているのだ。

乱馬は今まで好きな子どころか女の子とまともに接した事がなかったはずだし(右京は男だと思っていた)、
恋愛について考えた時期がないのは明白。
(母親のことすら考えたことがないんだもの)
格闘ばかりやってきて突如好きな女の子はできたものの、
その子は許嫁で、
ほぼ同じ時間を過ごしていて、
お互い長所も短所も知っていて……などなど、
恋愛への興味が薄い男にとって、
これ以上親しくなる必要性を感じない環境にいるのよね。

リアル小学生ではないので知識は年相応にあるし
興味関心が全くのゼロでもない。
相手から求められればその意味も重さも理解できるから応えてくれるけど(伝説の胴着やバストアップ回)、
“自分から”って意味では現状に満足しちゃっているんだろうなぁ。

≪ブレークタイム≫

漫画だからしょうがないけど時系列的におかしな事を言うね。
乱馬が恋に一番一生懸命だったのは序盤で、そこがピーク。

最初は『格闘が趣味の16歳男子』って感じだった(恋に関する言動も不器用だけど年相応だった)のが、
『武者修行の旅をして格闘に明け暮れて育った男の子』が強く意識されるようになったのか(?)だんだん格闘や勝負に拘りを見せ始め、
最終的に『女心が分からない格闘バカな男の子』が出来上がった。

留美子先生の「女の子にも読んでほしかった」発言もあるし、
“女の子が求める男の子像”を意識されていたのではないかと思う。
かっこいいけど、それだけのキャラクター。

留美子先生が当初イメージしていた通り女らんまがメインで9年連載が続いていたら
女らんまはめちゃくちゃ魅力的なのに男乱馬はあかねの為だけに存在しているような子になっていた気がする。
格闘バカで魅力的な男の子になってくれて嬉しい限り。


5、女の子の求めている優しさが分からない
※まだ決めかねているので気になる所だけ

ひな子先生の初登場回、
八宝五円殺について知りたい乱馬だったが結局聞き出せず、ひな子への優しい態度に勘違いした女の子たちに殴られる辺り。
彼女たちの怒りに最初から最後までピンと来ていない乱馬が興味深い。

鈍感だと言われたりもするけど嫉妬は今まで大体気付いていたし、
あかね「乱馬ってやさしいのねぇ。」
右京「黙って見てたら いちゃいちゃ いちゃいちゃ。」
と、大ヒントもあるのに何故分からなかったのか。
彼女たちの怒りはイコール暴力なので悠長なことをしている暇はないし、
修羅場での乱馬は説明(反論)するか焦る(逃げる)かのどちらかだったので、
本気で理解していない故の反応。

この話は反転宝珠回をもう少し分かりやすくしたバージョンだと捉えていて。
乱馬は格闘(勝負)のことで頭がいっぱいで良くも悪くも一生懸命なんだけど、
そんな乱馬の価値観や考えを知らない&理解できない周囲の人間には“女を口説いている”ようにしか見えず嫉妬と混乱を巻き起こす。
乱馬は乱馬で格闘スイッチが入ったことで自分を客観視できず、
どんどん拗れていく。

単に客観視できない状態だから気付かなかった可能性も高いけど、
ああいう優しさを彼女たちが求めているとか、他の女性にしてほしくないとか、
そんな女心を知らないからこその反応とも思える。
女の子視点だと乱馬は先生にアプローチしている解釈なので、
逆に言えば、乱馬はああいう行為をアプローチ認定していない……かも。
(ここを考え中)

≪メモ≫

彼女たちの解釈と全く違う理由とはいえ乱馬が先生に優しかったのは事実だし、
その件で怒っていると気付いてもよさそうなんだけどなぁ。

乱馬はあかねが自分に優しくしてくれるから好きになったのではなくて、
人として優しいから好きになった。
乱馬のあかねへの気持ちも喜ばせたいとか幸せにしたいではなく“守りたい”。
与えたり、与えられたり……それが苦手というか、そこに価値を見出していない??

散々、乱馬は助けを必要としていない人間に自分から優しくすることはないって語ってきたけど例外はあって
下心のあるときと、距離を置きたい人物に対しては妙に優しい。
下心は言わずもがな。
距離を置きたい人物は主にのどかのこと。

乱馬が最も気遣っていて優しく接しているのはのどかだけど、
最も距離感や不自然さを感じる関係性も母・のどか。
彼女に対する気遣いはかっこつけと罪悪感と恐怖と戸惑いが理由なので、
本来はあれだけ優しくできる男…って訳でもない。

媚びている乱馬を情けないと呆れられこそすれ、怒り、求められるのは予想外だった…?

今回はここまで。
カテゴリ: キャラ解釈・考察・分析

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