Book1
□春愁
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1 銀時
「初めて人を斬るって時は……怖かったか?」
対戦の始まる数日前、高杉は柄にもなくそんな事を聞いてきた。
「俺は、すげー怖かったけど?」
結局、人を斬るっつうのはアレだ、綺麗に誤魔化してるだけでただ殺すのと変わんねーって分かってたからだろうな。
返事を聞いた高杉は独り言の様に言った
「俺達はこれから一体何人の奴らを殺すんだろうなァ」
「…まあ、両手両足じゃ足りねーのは確かだな」
笑いながら言っている自分に、気付いた
少しずつ、少しずつ狂っていく感覚。振り向いた時にはもう、遅かった。