崩れさる理性…その後日談

□灯を消した部屋*小十郎編
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灯りの落とされた室内に響くのは、衣擦れの音と少し荒いお互いの呼吸、そして時折繰り替えされる唇が吸い付く音。


首筋に、肩に、次々と口付けられていく・・・。

その度に体がピクリと跳ね、あられもない声がもれる

ぼぉっとした意識の中で、意外にも大きな自分の声が気になり、我慢しそうになれば


「・・・駄目。聞かせて」


息が荒くなり始めた小十郎様が耳元で、わざと息がかかるように、唇がかすかに触れるように囁く。


小十郎様の囁きに勝てる訳が無く、だんだんと自分の何かが疼き始めて、どんどん体が熱くなる。


「ん・・」


小十郎様は大きくてしなやかな手と指とを使って体中をまさぐる。ひとつひとつ私の感じる場所を探り当て丹念に愛撫する。


太ももの間にすっと手が入り込み、その場所を確かめ


「有里」


低い声でささやく

「こんなに濡れてる」


次の瞬間指が入り込み、中の心地良い場所を探り始める。


「あんっ」

ひときわ大きなあえぎ声が出ると、小十郎様の口角があがり


「もっとよくしてあげる」


優しげに呟くのだ。


もう自分で小十郎様の体に触れる余裕なんてない。

・・・どんどん攻め立てられ、もう何も考えられないくらいに感じさせられる。


下半身を抱え込まれたと思うと


「力抜いて」


「う・・・ぐ・・・」

小十郎様のものが私を貫く


痛みに耐えようとする私の唇に小十郎様が自分の唇を重ね、痛みを散らすように快感を与え続ける

快感と痛みで涙目になりながら、私に覆いかぶさる小十郎様を見つめると


「全部入ってるよ。動いていい?駄目?」

幸せそうに彼は微笑むのだ


そんな小十郎様の笑顔と言葉に更に心が解かされ、きゅっと自身が締まる


「今、締め付けた?わざと?」

「初めてなのに?」


小十郎様は頬を紅く染め、嬉しそうに意地悪に囁く


「え・・」



「これは仕込みがいがありそうだな」


私が返答を返そうにも、彼は馬を乗りこなすがごとく私を翻弄する動きをとりはじめ、もはや返答は嬌声のみ

大人なのに、どこか不器用なところが残る、この少年は影となり日向となり

これからも私の人生に関わってくれるのだろう、そんな予感のする幸せなひと時・・・



一晩中私は小十郎様に翻弄され続けるのだった


【挿絵あき画伯】

【完】
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