SD long【完】
□@A 二人の約束
1ページ/10ページ
毎朝、洋平があたしを迎えに来て
一緒に登校している。
が、時間になっても洋平は来ない…。
(洋平…どーしたんだ?電話しても出ないし…。)
心配になったあたしは洋平の家に行ってみた。
『おばさん!おはよー!今日、洋平どーしたの?具合悪い?』
洋平のお母さんが外に出ていたから聞いてみた。
「里緒奈ちゃん、おはよ!あれ?洋平ならとっくに出たわよ!迎えに行ってないの?」
洋平の母は、驚いた顔で言った。
『うん…、電話しても出ないから調子悪いのかと思って…来てみたんだ。』
洋平は家にいなかった。
「洋平のバカが迷惑かけて、ごめんね。」
『いやいやッ;いつも迷惑かけてるの、あたしの方だから;おばさん、ありがとう!』
「また、いつでも遊びに来てね!」
あたしは また
ありがとう!と言って
洋平の母に手を振り、1人で歩いた。
(洋平…。どーしたんだよ。…先に学校行ったのか?)
とりあえず、学校へ行ってみた。
高宮 「よぉ!里緒奈ー。ん?洋平と一緒じゃないのか?」
校門でバカ3人と一緒になった。
『洋平がいないんだよ。今日の朝も迎え来ないから洋平んち行ってみたけど、いなくてさ。もう家を出たみたいなんだ。』
忠 「花道の奴と一緒にいるとか?」
大楠 「それなら里緒奈に連絡ぐらいするだろ。」
それもそうか。と頷く高宮と忠。
『まあ、変な事件に巻き込まれたりしてなきゃ いいけどさぁ。』
洋平は遅刻して学校へ来た。
花道 「なんだよ、洋平!その顔は朝から喧嘩したっつー顔だな!笑」
たしかに洋平の顔に傷があり、
リーゼントも少し乱れている。
『洋平、なんで朝っぱらから喧嘩してんだよ。誰と喧嘩したんだ?』
洋 「あぁ…中学ん時にボコボコにした奴らに たまたま会っちまってな。苦笑」
洋平は眉毛を下げ、笑って言った。
大楠 「なんだよー、それなら俺らも呼べよなー。」
喧嘩したかったと、
バカ3人は笑いながら言う。
(…洋平、なんか嘘ついてねーか?)
あたしは洋平の様子がちょっとおかしいことに、すぐ気がついた。
だって…切れた口のところに
絆創膏が貼ってある…。
あたしは洋平の顔をじっと見た。
洋 「ん?里緒奈…、どーした?」
『べつに……なんでもない。あたし、先戻るわー…。』
そう言って、あたしだけ自分のクラスへ帰った。
怒ってるわけじゃない…。
なんか…なんか引っかかる。
洋平が嘘をついてるように感じた…。
それに…あの絆創膏…。
洋平は殴られて傷ができても
自分から絆創膏なんて貼らない…
いつもあたしが貼ってた…けど…