SD long【完】
□I あなたという存在…
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里緒奈は教室に戻ってきて
美友理の席の後ろへ座った。
「里緒奈、おかえり!…どうしたの?」
里緒奈の様子が変だとすぐに分かった。
『美友理、…今日一緒に帰っていいか?』
「私はいいけど…、水戸くんはいいの?」
『…洋平なんて、…知らねーよ。』
「やっぱり何かあったんだね。後で聞くね。」
美友理は そっとしておいてくれた。
学校が終わると美友理と帰ろうと廊下を歩いてたところで、etcに会った。
忠 「おっ?里緒奈、洋平と花道のクラスあっちだぜ。」
逆方向を指さして言った。
里緒奈は顔だけ振り返り、
『…先に帰る。洋平に言っといて。』
そう言って、帰って行った。
高宮 「なんか、すんげー怒ってるな…。」
大楠 「あぁ…、洋平に言いにくいな…。」
etcは 里緒奈をからかったことを少し後悔した。
美友理と二人でファミレスに来た。
パフェを食べながら洋平のことを話した。
『洋平の奴…、大人しく清楚系女子が好きだなんて一言も言ってなかった。あのバカ3人が知ってて、なんでそーゆーことあたしには言わないんだよ…。』
「でも…水戸くんが言ったワケじゃないから誤解かもよ?」
『どうかなぁ…。洋平、あんまり自分のこと話さないから。たまに分からない時がある…。』
「へぇ〜。里緒奈でも水戸くんの事わからない時があるんだね。」
そりゃ、そうさ。と里緒奈は言う。
「私から見て水戸くんはいつも里緒奈の隣にいてくれるよね。毎日一緒に登校して、毎日里緒奈を迎えに来て帰る。それって……里緒奈の事、好きなんじゃない?」
あたしは美友理の言葉にビックリした!
『えぇっ!ないない!!絶っ対にない!!!』
手足をバタバタして否定した。
「そうかなぁ。じゃぁ…里緒奈は?」
えっ?!あたし?!ん゛〜〜〜。と考えた。
「水戸くんが他の女の子のこと可愛いとかタイプって言われると、なんか嫌な気持ちにならない?それ、ヤキモチだよ!笑」
『ヤ、ヤキモチッ?!…えっ、なんか嫌だなぁ;』
「あははは!里緒奈って可愛いね!笑」
か、可愛いっ?!と
里緒奈は恥ずかしくなる。
「ねぇ、里緒奈!気になってたんだけど…、水戸くんと手繋いだりした?」
ん?手繋ぐなんて結構あるぞ?と答えると
「そうなの?!じゃぁ…抱き合ったり…キスは?」
美友理もちょっと恥ずかしそうに聞いた。
『えっ?!いやぁ…まあ…そのぉ……キスは2回程……。』
ボソッと里緒奈は顔を赤くして答えた。
美友理は二人が両思いだと確信し、
「水戸くんになんでキスしたのか聞かなかったの?」
『へっ?!そ、そんなこと聞けない;その時の雰囲気でしたのかなって…。まぁ…お互い気まずくならないように、その事は触れなかったんだよ。』
(水戸くんはそれなりにアタックしてるけど、里緒奈が気づいてないわけね…。里緒奈、超鈍感…。水戸くんも大変だな。笑)
美友理は そう思った。
その時、里緒奈の携帯が鳴った。
『ゲッ;洋平だ…;』
「ナイスタイミング!里緒奈、今日の事はちゃんと謝った方がいいよ!」
洋平の電話に出た…。
『な、なんだよ…。』
美友理(完全に喧嘩腰じゃなーい;)
洋 「里緒奈、お前 今どこにいるんだ?今から話せないか?」
里緒奈はチラッと美友理を見ると、
話しておいで!という目で見てくれた。
『うん…、いいよ。今から洋平んち行く…。』
そう言って電話を切った。
「あぁー、ヒヤヒヤした!ちゃんと謝って仲直りしておいでね!あと、本当にそーゆー子がタイプなのか確認してきたら?」
『うん、そうだね…。美友理、ありがとう!美友理に話して良かった!』
「どういたしまして!いってらっしゃい!」
里緒奈は 急いで洋平の家に向かった。