SD long【完】
□D ライバルからの挑戦状
3ページ/7ページ
ー体育館裏ー
「里緒奈〜、怒ってるぅ?;」
『当たり前だろ!…隆也って、結構 強引だな!』
あたしは ムッとして 言った。
「ごめん、ごめん。でも、こうでもしないと 里緒奈と2人きりになれないからさ;」
あたしは ムッとした表情を変えない。
隆也は 様子を気にしながら
自分の話を話し始めた。
「夏に大会があったんだ。準決勝まで進んだけど、相手が強くて 負けたんだ…。俺、すげぇ悔しくてさ…。」
あたしは 無言だが真剣に話を聞いた。
「だから高校では バスケが強いところに行って、今よりも上手い選手になりたいんだ。」
いつもニコニコしている隆也だが、
バスケの話になると
なんというか…男の顔つきになる。
「あっ!ごめん。こんな話をしても つまらないよね;」
『そんなことねーよ。夢があるっていいじゃん。あたしなんて 何にもねーよ!』
隆也は 驚いた顔をした。
「里緒奈、ありがとう!なんか改めて また頑張れるよ!」
あたしは、頑張れよっと 伝えた。
「俺さぁ… ずっとバスケ一筋でやってきたから、女の子と付き合ったことないんだ。彼女欲しいと思ってるんだけど、なんか…彼女のこと大事にできるか自信がなくてさ。」
『ふ〜ん。だから何人もの女の告白を断ってきたわけか!一体、何人泣かせてきたんだ?笑』
「おいおい;やめろよ;大会も終わったし、俺は これからだぞ;」
『はいはい!笑』
あたしは笑って
隆也の背中を叩いた。
「…里緒奈は。里緒奈は、彼氏いるのか?…水戸と付き合ってるの?」
『ん?洋平っ?』
隆也は コックリ頷いた。
『何言ってんだ?付き合ってないよ。』
隆也は ホッとした様子で
そっか と、あたしに笑いかけた。
「…じゃぁ、俺と…」
何か言おうとした途中で
チャイムが鳴った。
『おっ。戻らねーとな。』
そう言って あたしは立ち上がった。
『ほら。先に隆也が教室に戻れよ。あたしは 後で行く。』
シッシッと 手首を振った。
「えっ?同じクラスだから一緒に戻ろうよ!」
『何言ってんだよ。一緒にいたら、お前のファンに誤解されるだろ。そーゆーの面倒なんだよ。ほらっ!早く行けって。』
あたしは 隆也が
先に教室に戻るよう伝えた。
『さぁーて。そろそろ戻るかな…。』
あたしも 歩き始めた。